普通のビジネスができないFPが、ボランティアをできるはずがないんです。

FPビジネスを始めたての頃、よく、集客やお金を頂くことができなくて

「ボランティアでやっちゃえばいいよね!」

と、思ってしまうことがあるかもしれません。

でも、本当にボランティアでやるなら…ボランティアはかなり複雑で難しいビジネスですから、実践には綿密な戦略と相当の覚悟が必要になります。

目次

ボランティアがビジネスである理由

ボランティアというとまるでビジネスでは無いかのような話をする人がいるのですが、それは全く違います。

むしろボランティアの方がいわゆる通常のビジネスよりも、格段に継続することが難しいビジネスです。

その認識間違いがある限り、ボランティアが長期的に継続できることは決してありませんし、まして、

「お客様からお金を頂くのが難しいからボランティアで」

みたいな発想では全く前に進めないでしょう。

ではなぜボランティアがビジネスといえるのか、詳しく見ていきましょう。

そもそもビジネスってなんだろう?

そもそもビジネスとは何か?

ということについて共通の認識を持っておく必要があります。

ビジネスとは、最もシンプルな定義では相手に価値を与えて、その対価を頂く行為のことです。

相手に与える価値の大きさと種類、そしてどれぐらい、どのような形で対価を頂くか、その組み合わせによってビジネスは無限と言っていいほどの種類があります。

ここで注目すべきなのは、「対価を頂く相手は、価値を与えた相手そのもの」ということです。

これが、通常のビジネスですね。

一番わかりやすいのが「店舗」でしょう。

欲しいものを手に入れる(相手への価値)代わりに、その場で代金(対価)を頂きます。

ボランティアの費用は誰が負担しているのか?

ではボランティアと言われる行為の場合、どうなるのでしょうか。

普通ボランティアの場合では、価値を与えた相手から直接対価を頂くことはありません。

まぁ、相手からありがとうと感謝されることも広い意味での対価かもしれませんが、それは上で書いた「普通のビジネス」でも得られますから、ここでは除きます。

一方で、ボランティアの行為者はボランティア活動をするための「費用」が必要です。

材料費がほとんど要らないような、例えば「お話」のようなものであったとしても、その場所に行くための交通費、移動と話をするための時間、人が動けば必ずお腹が減りますから、そのための食費や、その他消耗費…など、かなりのコストがかかっています。

問題になるのは、そのコストは誰が負担するのか?ということです。

ボランティアを感情と勢いだけで進めている人は、ここの視点がスッポリ抜け落ちている場合が多いように思いますね。

ボランティアを持続させるためには当然、継続的にこの費用を賄う必要があり、たいてい、極めて難しい問題に直面します。

これを無視して、ボランティアを継続させることはできません。

長期的に「お客様」に納得してもらうのは非常に難しい

なぜ難しいのかというと、一般的に妥当とされている「受益者負担」の原則から外れるからです。

だからボランティアとも言われるわけですが、通常のビジネスでは価値を受けた人、つまり受益者がその対価を払うだけで取引が成立します。

この場合、受益者(お客様)と、ビジネスの行為者(あなた)の二人が納得すれば、それでOKです。

他の第三者を説得する必要はありません。

でもボランティアの場合、もっと複雑です。

受益者がおり、ボランティアの行為者がいて、そして費用を負担する別の第三者がいます。

最低でも三者が納得しなければ成立しないビジネスで、さらに費用負担者が「公(おおやけ)」に近づくと、関係者数は爆発的に増えていきます。

それだけ大勢の関係者を、あなたは説得しないといけないわけです。

これは相当難しいことだ、ということが理解できますね。

価値を受ける者と、価値を与える者、そしてその対価を払う者がいる、という点でビジネスと同じなのですが、その構造が極めて複雑だということです。

もちろん、社会通念上、既に多くの人の間でコンセンサスが出来ているようなボランティア、例えば災害救助のようなものであれば、それは当然成立します。

この場合、お金を出す第三者は既に納得していますから大丈夫です。

そうではない場合、この第三者を説得するには相当の時間と労力がかかるはずです。

ちなみに、費用負担者がボランティアの行為者、つまりボランティアする人が費用を出せばいいじゃん、という考えを持つ人がいますが、実はこれも間違っています。

なぜなら、お金というのは湧いて出てくることはなく、誰かから頂く以外に無いからです。

自分で費用を出せると言っている人は、単に以前、誰かからもらったお金を貯めておき、それを消費しているに過ぎません。

よくよく考えれば、それは誰かから頂いたお金であることに変わりはないのです。

まず最初に、普通のビジネスをしよう

このボランティアの困難さを理解せずにボランティアから入る人がいますが、そのアプローチは完全に間違っています。

ボランティアよりも簡単な通常のビジネスをやめてそれより困難なボランティアに突き進むのは、どう考えても矛盾していますよね。

例えて言うなら、

「歩けない小さな子供が、歩く練習をあきらめて、代わりに自転車に乗ろう」

というような考えです。

おかしいですね?

歩くだけの脚力やバランス感覚も無いのに、自転車に乗れるはずがありません。

ですからまず、普通のビジネスをしましょう。

その方が明らかに成功確率が高いですから。

それで成功して、どうしてもボランティアがしたければ、それからやっても全然遅くはありません。

ただし、一つだけ例外はあります。

それは、「一時的に」やるのであれば特に問題はなく、練習や経験を積めるという意味ではむしろやってみた方がいい話です。

最初のうちはどうしても経験不足から、お金をいただけるだけの価値を相手に与えられるかな?と心配になります。

であれば、最初の数回等、短い間だけ無償でやってもいいと思います。

その間のコストは持ち出しになりますが、それぐらいのことであれば大丈夫でしょう。

こうした「実験」はボランティアとは本質的に異なります。

ボランティアとはあくまでも受益者から対価を頂かないビジネスであり、上記の実験はあくまでも通常のビジネスを始めるための準備という位置付けだからです。

やっていることは一見とても似ていますが、目指す方向性が全然違うので、こちらはOKなのです。

(だから間違いにハマりやすい、ということもあるのですが)

今、ご自身がやっていることが一体どこを目指しているのか。

それを一度きちんと考えるようにしてくださいね。

普通にFPビジネスを始めるのであれば、こちらの記事で検討してみてください。

月収+50万を目指す、週末起業としてFPで独立することの可能性を考えてみた。

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