節約=がまん?ぜいたく=敵?FPも間違いやすいポイントを解説します

こんにちは。林です。

今回はFPも間違いやすい「節約はがまん?」「ぜいたくは敵?」の2点についてお話しますね。

もちろんどちらも誤った認識なんですが、この2つはなかば人々の共通意識となっていて、非常に間違いやすいです。FPがこれを間違えていると致命的ですので、意識的に正しい理解をしておきましょう。

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節約とがまんは違う

まず節約=がまんという誤解から見ていきましょう。とにかくがまんして節約する、という印象が強いですが、実際のところがまんの節約は長続きしません。ですので、節約を成功させている人でガマンし続けている人はほぼいないと思われます。

では節約とは何かというと「幸福感をキープしながら(あるいは上げながら)ムダな支出を減らす」ことです。ここでいう幸福感は本人の主観であり、他人がどうこう言える部分ではないです。なので、人によって節約できるレベルはバラバラになります。

例えば嗜好品について、酒もタバコも全くなくて毎日幸せな人もいれば、月数万円かけないと満足できない人もいます。あるいはハードルの高い食費についても、一人暮らしで月1万円でも栄養バランスと幸福感を損なわない人もいれば、毎日外食で月10万円使わないとダメと感じる人もいるでしょう。人それぞれなのです。

ではどう節約したらいいのでしょう?まず少しずつ変化させてみるのが大事です。人は今この状態が最適だと思いがちですが、ほとんどの場合そうではありません。例えばストレスがたまるのでタバコを吸うとします。では仮に運動をしたり、マインドフルネス呼吸法を取り入れたりしてストレスが軽減すれば、タバコも減らせるかもしれません。

ストレスが減り、なおかつタバコ代も減らせて節約できれば、言うことないですよね。

楽しみながら節約できたら、それが最強なのです。

ぜいたくは敵、とも違う

次にぜいたくは敵と言われがちですが、これも誤解です。ぜいたくするのは本人の自由ですから、そもそも外野がしのごのいうのは間違っているのですが、でも本人も内心ぜいたくをやめたいと思っているかもしれません。

目的も効果もなくただやみくもにぜいたくするのはさすがに止めたほうがいいと思いますが、自分にとって価値がある、モチベーションが上がるなどの効果があるならそれは「自己投資」と言えるでしょう。それは単なるぜいたくとは違いますね。敵でもないです。

ただし、投資の目的でぜいたくする場合は、必ず「リターン/コスト」を後で検証することが大事です。株式投資であれ自己投資であれ、投資である以上、リターンがなければそれは失敗なのです。自己投資をしてみて失敗したなら、次からやらなければいいだけです。

ちなみに僕も自己投資だと称していろいろなものに出費してきましたが、多くは失敗に終わりました(苦笑)。ですので、正直ぜいたくなモノはほとんど必要ありません。あ、仕事を効率よく、気持ちよく進めてくれる道具は「投資効果が高い」ですので、ここは全くケチるつもりはありませんけどね。

節約とぜいたく(投資)は両立する→資本主義

さてここまでくれば、もう少し深い部分まで話をしてみたいと思います。

実は節約しながら投資するという行為は「資本主義」そのものなのです。私達は好むと好まざるとにかかわらず資本主義社会で生き抜かないといけないわけですから、この本質を理解しておいて損はないでしょう。

資本主義とは、将来の成長を期待して、現在の資本を投入する行為です。その結果として投資が成功すれば「現在以上の成長(生産力)」を獲得します。成長すれば資本も増えますので、資本がどんどん増えていくのが資本主義の特徴。個人の場合の投資とは先程の「自己投資」や「株式投資」が典型的ですね。

資本主義は基本的に、リスクを取りながらどんどん成長しようとする非常に「貪欲」な考え方です。

もし、節約ががまんだとか、みすぼらしいとか感じるようであれば、この資本主義を理解できていない、イメージできていない可能性が高いと思います。長くなるので詳しくは省略しますが、資本主義を理解せずに消費する人たちのことを「消費者」といいます。非常に単純化すると「資本主義者→資本が成長し、お金持ちになる人」、「消費者→資本主義者に搾取される人」という図式が成り立ちますので、節約をおろそかにすると社会の底辺に取り残される可能性すらあります。

これはFPとしては、決して看過できないでしょう。本人の意思を尊重しつつ、ここはしっかりと伝えていきたいところです。

本来の節約は資本主義で生き抜く極めて有効な手段であり、むしろ貪欲に生きる態度だということです。最初は理解できなくても、時間軸を長く取ってキャッシュフロー、ライフプランを確認すれば、理解できる方は多いはずです。

また、節約で幸福感を落とす必要は全くなく、むしろ幸福感が上がることさえあります。先程の禁煙の話も、支出を減らしながら幸福感は増しています。そういう意味で、節約ができない人はいないはずなんですよね。

それでも必要以上に支出してしまう人は、メンタルの問題を抱えている可能性が出てきます。例えば自分に自信がないので、それを隠すためにあえて身の丈以上のぜいたくに支出してしまう、などですね。この場合はお金の問題のみならず、心のケアも大事になりますので、FPだけで問題解決できないのであれば、心理カウンセラーなど他の専門家の力を借りるのも手です。

ということで資本主義社会なんだから、節約で貪欲に生きればいいよね、というお話でした。

少しでも参考になれば幸いです!

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