こんにちは。行列FPの林です。
今回はYoutube動画の中で、「e-Taxをするに当たって領収書の扱いはどうすればいいのでしょうか?」というご質問がありましたので、お答えします。
また、領収書の扱いに関する注意点や青色申告についてもお話していますので、事業所得で確定申告をする方、青色申告してみようと考えている方は是非参考にしてください。
結論としては、e-Taxの中で直接領収書が必要となる場面はありません。ただ、領収書は重要な書類ですので、その扱いを確認しておきましょう。
目次
e-Taxは正式名称「国税電子申告・納税システム」といい、所得税とはじめとする数種類の税金の申告や納税を自宅や事務所からインターネットを通して行える制度です。帳簿の記帳からソフトを使って行うと、ほとんどの書類をペーパーレスで納税まで完了することができます。
このコロナ禍でオンライン化が急に進み、e-Taxもさらに普及が進みそうですが、実はe-Tax自体は2004(平成16)年から運用が開始されています。その後機能を充実させ、マイナンバーの導入などもあり、徐々に申告がしやすくなってきています。
今年2月からの青色申告では、e-Taxで申告を行うと青色申告特別控除が10万円多くなるという優遇措置も始まります。この機会にe-Taxを導入してみようと思われている方も多いのではないでしょうか。
筆者は昨年度e-Taxでの確定申告を行い、事業所得の青色申告などを行った経緯をレポートしました。
また、e-Taxのメリットについて書かれた記事はこちらです。併せてご覧ください。
【実録】記事中でも紹介している動画はこちらですが、
この動画をご覧いただいた方から
e-Taxで確定申告をする場合、「領収書をどのように入力すれば良いですか?」「領収書の扱いをどのようにすれば良いですか?」というご質問がありました。
そのお答えですが、
「結論としては、e-Taxでの確定申告処理で、領収書を直接使うことはありません。」
というシンプルなものになります。
ただ、領収書は帳簿の処理や経費計算、確定申告において重要な書類であることは間違いありません。いわば経費の証拠となりうるものだからです。
ですので、確定申告に直接使うことはないものの、扱いについては以下のような注意点があります。チェックしておきましょう。
「青色申告」とは収入額や必要経費などを複式簿記によって正しく記帳し、その帳簿から正しく申告を行う人に所得金額の計算が有利になる制度です。
すでに事業を行っていてある年から青色申告での申告を行いたい場合はその年の3月15日まで、新規開業で青色事業を行いたい場合は業務を開始した日から2か月以内に、納税地の所轄税務署に「青色申告承認申請書」を提出して申請します。まずは申請して青色申告者になり、その次の年にある確定申告で初めて青色申告が可能になります。
青色申告でのメリットには、主なものを挙げると
などがあります。
青色申告で確定申告をしたい場合、ソフトを使う、税理士に依頼するなどをして複式簿記で日々の取引の記帳が必須です。
そしてその帳簿、書類などは7年間の保管義務があります。
記帳の際には、経費であれば領収書を参照しますが、記帳した後も使用済みだからと処分はせずに、他の帳簿書類と一緒に保管しておきましょう。
ちなみに、請求書、見積書、納品書、送り状は5年間の保存でよいとされています。
詳しくはこちら(国税局HP・No.2070 青色申告制度)をご覧ください。
では青色申告での確定申告には、他の申告とどのような違いがあるのでしょうか。
それは「青色申告決算書」という書類を確定申告書と一緒に提出するということです。
では、青色申告決算書がどのようなものか見てみましょう。
参照:こちらは国税局のHPから獲得できる青色申告決算書のPDFです。
表示している1ページ目を見ると、まず決算書の損益内容である売上から経費の記載があり、さらに各種引当金や青色申告特別控除を差し引いた額が書かれるようになっています。そして最後、右下の方に事業所得の所得額が書かれるという構成になっていることがわかりますね。
次ページ以降には決算書の貸借対照表の数値の他、減価償却や専従者給与の状況など税計算に必要な事項が記載されるようになっています。
一見すると少し記入が難しい印象があります。しかし現在では自分で記帳する場合、多くの人はソフトを使っています。ソフトの種類によって青色申告決算書の作成方法は様々だとは思いますが、多くの場合は決算内容から必要事項を数点追記するだけで比較的簡単に青色申告決算書が発行できるようになっています。
もちろんこちらもすべてe-Taxを使い電子申告できるようになっています。
筆者は事業所得の記帳にMFクラウド確定申告を使用していますが、日々の記帳をコツコツと溜めないようにしていけば、年始にスムーズに申告作業ができます。気になる方は検討してみてはいかがでしょうか。
e-Taxで青色申告を行うための注意点や、青色申告決算書の内容を見てみました。
個人で事業をしていると確定申告は毎年必ずしなければいけません。効率よく、また便利に申告を行いたいですね。
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