FPは「株式会社あなた」の経営者。経費管理と投資を怠るFPは…

こんにちは。行列FPの林です。

最近は副業解禁の動きが活発になっていて、副業で FP を目指そうという方も増えているみたいですね。

ただしFP業を営む場合は副業でやる場合でも独立開業する場合でも、原則個人事業主という立場であることは覚えておいてください。

それは端的にいえば規模は違えど「会社経営者」と同じなのです。個人が忘れがちな、経営に必要な視点を見ていきましょう。

この記事のポイント

  • FP業は副業であっても「会社の経営者」の視点を持たなければ成功はない
  • あなたの顧客をよく知る努力をしよう
  • 「経費」に敏感に、「投資」を積極的に行って成長を目指そう
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目次

FPは副業だろうと独立開業だろうと「個人事業主」

副業で取り組む場合、年間利益が20万円以下であれば事業ではなく雑所得で扱う場合もあります。この辺の線引は結構曖昧で、税務署や税理士の判断を要する場面もあると思いますが、基本的に継続反復的に業として行う場合、たとえFPの副業による年間所得が20万円以下であっても事業所得として扱われるのが原則です。

事業所得として扱われる場合、あなたは正式に個人事業主のFPとなります。個人事業主とは、「個人」で営む「事業主」という意味で、基本は事業主=経営者なのです。

個人事業主という言葉のイメージが沸かないと思うので、ここでは言い方を少し変えて「株式会社FPあなた」と考えてみましょう。

株式会社と言っても株主があるわけではありませんが、事業を営む経営者という意味では事業主と同じです。また個人で経営していますから象徴的な意味合いを込めて株式会社「FPあなた」と命名してみました。

この方がイメージがわきやすいのではないでしょうか。

では副業でも独立開業でもこれから FP 業を営んでいきたいと考えているあなたがこの「株式会社FPあなた」(以下、株式会社あなた)をどのように経営していく必要があるのでしょうか。

一緒に考えてみましょう。

株式会社FPあなたの「ターゲットとビジネスモデル」を戦略的に設定しよう

まず副業で最初に取り組むべき仕事としてはこちらの記事に示したように

会社員がファイナンシャルプランナーで副業したい。結局お勧めの方法はどれ?注意点も!

まずは執筆から入るのがハードルが低くてお勧めですね。ただし、執筆はあくまでも「副業の入門」であって、それだけでずっと収入を得ていくのはしんどいでしょうし、いつまでも Web 執筆の請負しかできないレベルではそれはそれでマズいです。

そこで次のステップとしてブログや SNS を使って独自で集客しながら本格的な相談業に取り組んでいくことになります。

集客の方法もいくつかバリエーションがあって広告費をガンガンかける方法もありますし業者に依頼したり他者のプラットフォーム上で集客する方法もあるでしょう。

どんな方法であれ集客できればそれでいいとは言えるものの、FP 業のようにあなたの個性を生かした集客をしたい場合は少なくともブログやホームページなどの媒体を使ってあなた自身で情報発信していくことが重要になります。

そこで重要になるのが「ターゲット」と「ビジネスモデル」です。

ターゲットとはそのものずばり貴方が相手にしたいと思っている顧客層のことです。これをしっかり定めることにより情報発信の軸がぶれずまたターゲットに刺さる情報を発信できるようになります。

逆に言えばターゲットがしっかり定まっていなければあなたが発信する情報はぼんやりしたものにならざるを得ず、誰もが書くような、そして誰にも刺さらない情報しか発信できません。

これでは集客が全く始まりませんから、まずはターゲット設定をしっかりすることが大事だということが理解できるでしょう。

ターゲット設定は奥が深いので話し始めると長くなるのでここでは省略しますが一つのヒントとしてあなたの強みを活かせるターゲットを探すということですね。

あなたの強みは、自分自身ではなかなか気づくことができないかもしれませんが、ブレインダンプといってあなたが今までやってきたことやできることを、とにかくひたすら紙やスプレッドシートに書き出すことで、今まで気づいていなかったことに気づくことがあります。

そうやってあなたの強みに気づくことができれば、 その強みを活かしたターゲットを考える上での重要な足掛かりになるでしょう。

これは結構重要なところで、例えばあなたの会社が「うちの会社の強みはよくわかりません」などと言っているとしたらその会社はどうなるでしょうか?

今はうまくいっていても将来的には非常にまずい状態になる可能性が高いですよね。

それと同じことで「株式会社あなた」の強みを見つけ、しっかりと活かしていく必要があります。

もう一つビジネスモデルですがこれはターゲットを設定した上でそのターゲットの悩みをどのように解決していくか、その全体像を決めるものです。

ここで誤解している人も多いですがビジネスモデルとはあなたが儲けるための仕組みづくりではありません。

もちろん結果的にビジネスモデルから儲かるわけですが、あくまでもビジネスモデルとはお客さんの悩みを解決したり、お客さんを喜ばせたりするための仕組みづくりのことなのです。

そうやって悩みを解決したり喜ばせたりできれば、その対価をくださいというのは、それはもう必然というか、宇宙の真理レベルの話ではないでしょうか。

「株式会社あなた」がどういう手段や方法で、あるいはどういう仕組みで、お客さんの悩みを解決したり喜ばせたりするのか。

それを真剣に考えてみてくださいね。

株式会社FPあなたの「経費」には敏感になろう

経費じゃぶじゃぶの社長だとしたら?

考えてみてください。

あなたが勤務している会社の社長が、経費に全く無頓着でどんなものでも好きなだけ社員に買わせるようなそんな社長が経営していたらその会社は一体どうなるでしょうか?

恐らく、そう遠くないうちに倒産するはずですね。

さすがにあなたが勤務する会社はそんなルーズではないと思いますが、「株式会社あなた」も全く同じことが言えます。

あなたが勤務している会社では経費を使う場合どうしますか?

必ず領収書やレシートを提出させられますよね。それと同じことで「株式会社あなた」も領収書やシートをしっかりと保管しておきましょう。

もちろんどれくらい経費を使っているか把握するために領収書を保管するだけでなく使った経費の額をきちんと帳簿に記録しましょう。近年のクラウド会計ソフトを活用すればかなりラクですし、それでもできないなら税理士さんにお願いすることもできます。

そしてできれば毎月どれぐらいの経費を使っているかチェックして無駄な経費があれば削るという活動を習慣にすることをお勧めします。

とにかく家計であれ会社の経費であれチェックをしなければ無駄というのはどんどん放置されていきます。無駄を放置しない仕組みをしっかりと構築しましょう。

また経費を把握することにより、「株式会社あなた」の傾向や課題を知ることもできます。

例えば「交際費」が多いのに思ったほど人脈が構築できていないとしたら、そこは無駄な費用としてカットするか、さもなくば方法を見直す必要があるといえるでしょう。

あるいは自主セミナーを積極的に開催してはいるけど、会場費や出張費がかさむばかりで、個別相談にはつながっておらず、収益化ができていないことが見えてくるかもしれません。その場合セミナーのクロージング方法を見直すか、もしくは自主セミナーの開催自体を再検討すべきかもしれません。

経費の把握は、経営の生命線です。

「株式会社あなた」は大丈夫ですか?

株式会社FPあなたへの「投資」は少額でも必ず行おう

投資を忘れない

こちらも実際の会社で想像してみれば分かりやすいです。

あなたの勤務している会社では年間予算を立てて、計画的に資金活用するはずです。その中には必ず「投資」が含まれていますよね。

これは新たな商品やサービスを開発したり、既存商品を改良するための投資、新たな顧客を発掘するための広告費や環境整備のための投資、そして人材の知識やスキルを向上させるための人材への投資などが含まれます。

もしこれらの投資が全くない会社があったとしたらどうなるでしょうか。

商品やサービスの新開発や、改良することもせず、顧客を発掘することもせず、社員のスキル向上にも関心がない…

ちょっとお先真っ暗な感じですよね。汗

では「株式会社あなた」はどうでしょうか。

きちんと

  • 商品やサービス開発のための投資
  • 集客のための投資
  • あなた自身への自己投資
が積極的になされていますか?

もしこれらが非常に弱い、もしくは全くないとすれば、「株式会社あなた」の成長はたちまちストップしてしまうことでしょう。

現代において停滞とは敗退を意味します。

あなたは FP ですから比較的勉強熱心な方だと思います。よって自己投資はそこそこできているかもしれません。

ですが商品やサービスの開発改良や集客のための投資というのはおそらくそれほどしていないのではないのでしょうか。

そこが「株式会社あなた」の改善ポイントになります。

まとめ「株式会社FPあなた」を上手に経営するために

以上まとめると

  • 顧客を知ろう。ターゲット設定、ビジネスモデル構築は成功への近道です。
  • 経費に敏感になろう。領収書・レシートは必ず保管、記帳しよう。
  • 投資を怠らないように。自己投資はもちろん、商品サービスの開発改良、集客への投資ができていないことが多いです。
のようになります。

普段の会社組織に当てはめて考えればどれも当たり前のことというのが納得できるはずです。

これがいわゆる個人事業主になっても、話は全く同じなのです。

FPであるあなたは「株式会社あなた」の経営者ですから、毎月きっちり給料がもらえる会社員とは違う視点で動く必要がありますね。

会社経営は難しい面がありますが、誰に干渉されることなく自由にできるという大きなメリットがあります。

さらに副業FPであれば、本業の給与収入があるわけですから、それらを戦略的に投資に回すことで、事業を拡大させることができるでしょう。

副業であれ独立開業であれ、経営しているという意識とイメージを持って FP 業を発展させてくださいね!

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