「FPとして何を売っていいのか、
何をサービスすればいいのか、
思いつきません」
というお悩みやご相談を頂くことがあります。
また、教材のコミュニティでも同様の話が出てきました。
今後の業界の流れ、集客法などとの関連性を含めて
どうやって目標設定すれば良いのか、
じっくり考えてみましょう。
目次
FPの主な収益源には
その他にもあろうかと思いますが、
収益源としては相対的に小さいと思うので省略します。
FPに限らず、もっと他の収益源について
ヒントを得たいということであれば
こちらの記事も参考にしてみてください。
↓
まず大事なのは、
「あなたがこの中でどれを軸に活動するか?」
ということです。
これは僕の個人的な感覚にすぎないかもしれないのですが
FPの本領といわれればやはり「相談(アドバイス)」だと思います。
商品のコミッションをもらう場合であっても、
単に店頭に商品を並べておいて売るのではなく
なんらかの相談をセットにしていますよね。
ということは、やはりFPに求められているのは
「相談(アドバイス)」なのであって、それ以外はまぁ、
副業的なものだと考えて良いかもしれません。
もちろんあくまでも僕の感覚に過ぎず、
講師料や原稿料収入がメインだという
FPさんもそれなりにいらっしゃることは
承知しています。
FPに限らず本業よりも副業のほうが
稼げてしまうということはよくある話ですので、
それはそれとして。(笑)
さてここで、相談業を軸にすると決めたとします。
頭を悩ませる問題として
コミッションをもらうか、フィーをもらうか
という問題があります。
なぜ頭を悩ませるかというと、
「利益相反」の問題が出てくるからです。
(さすがに「利益相反」については
ご存知だと思いますので詳しくは省略します)
補足ですが、
コミッション=利益相反=悪
フィー=顧客本位
ではありません。
コミッションでも誠実に頂くことは可能でしょうし、
フィーであっても利益相反が含まれていることがあります。
また利益相反が含まれているからと言って、
必ずしもダメということでもないでしょう。
世の中は多面的ですし、
常に誰かの利益は、誰かの損失という面もあります。
そのへんはどうやってあなたのビジネスを
組み立てるかに依存するので一概には言えないのですが
一般的には取引価格
(保険なら保険料、不動産なら物件価格等)
に比例してもらうものはコミッションだろうとフィーだろうと、
利益相反になりやすいといえます。
ま、そうですよね。
お客様がFPに期待することの一つとして、
価値あるものをできるだけ余計なコストを掛けずに
手に入れたい、ということがあります。
取引価格に比例した報酬をもらうと、
どうしても「取引価格」自体を
引き上げようとするインセンティブが
働いてしまいます。
そうした仕組み上で活動すると
その事自体が合理的な経済活動になってしまうので
どうしようもありません。
これが顧客本位かどうかですが
欲しい商品やその価値は最終的に顧客が決めることです。
にも関わらず、顧客の意向とは無関係に
価格引き上げのインセンティブが働いてしまうことは
やはり顧客本位とはいえませんよね。
さて、僕は誠実なビジネスの方が
長続きして結局は顧客共に潤う、
と考えているのですが、そんな僕の意見とは無関係に
ここのところ金融庁等の動きが活発です。
FD(フィデューシャリーデューティ)という言葉は
もう聞き飽きた感じがあるぐらいですが、
今後はますます、金融界にFDの圧力が高まることが予想されます。
そこでFD対策で考えた場合
最も確実なお金のもらい方の一つは
「定額フィー」です。
保険料や取引価格等に依存せず、
とにかく一定のフィーを頂く。
そもそも、よほどの金額でもない限り、
取引金額が変わろうともアドバイスの手間暇は
あまり変わらないはずです。
であれば、定額のフィーをもらうことは経済合理的であり、
かつ高額商品への誘引もないので
FDの思想にもかなうことになります。
現実社会の流れとしても、
今後は「定額フィー」をもらえるようにしないと
しんどくなっていくと思います。
利益相反ゼロ!などと
完全無欠である必要はないと思いますが
利益相反の度合いが高いほど、
金融庁などの締め付けはきつくなっていき
ビジネスがやりにくくなります。
少なくとも、これからFPを始めようというなら、
メインの収益源として定額フィーが取れるように
準備して行ったほうがいいと僕は思っています。
当然ながら、僕もその方向で活動しています。
ただ、定額なので、稼ぎにくい面はありますね。
さすがにいくら誠実だからといっても、
それで生活が成り立たないようであれば
ビジネスとして失格です。
その点についてはネット集客など
効率の良い集客法を組み合わせながら
対策していけると思っています。
次に考えるのは
「あなたにできるだろうか」
ということです。
例えば、顧客サービスとして
毎月海外のレポートの要約版を配信したいとします。
でももし英語が全く読めない、理解できないとしたら
そもそもこのビジネスが始められませんよね。
もちろん英語に堪能なスタッフを雇う、
という方法もあるわけですが、
いきなりハードルが上がってしまいます。
そうなると失敗の可能性も高まり、
失敗した時の痛手も大きくなります。
だからまず、あなた自身にできることから
始めたほうがいいでしょう。
これは、別に
「私にできることなんてあるんだろうか…?」
なんて深刻になる必要はありません。
例えば今までのあなたがしてきたこと、
経験や知識を棚卸ししていけば、
必ずなにか見つかるはずです。
また直接的なスキルでなくとも
あなたの特性であってもいいです。
例えば、昔から非常に面倒見がいい性格であれば
通常の相談業に加えて「付き添い」サービスを
加えてもいいでしょう。
金融機関に出向くというのはそれなりに緊張しますから
プロのFPが付き添うとそれだけで喜ばれます。
もともと面倒見がいい性格ですから
サービス提供が苦になりませんし、
お客様にも喜ばれるので一石二鳥。
これでお金がもらえるのですから
言うことなしですよね。
あなたが出来ることというのは、
つまりこういうことなんです。
簡単ですよね?
複雑に考えすぎたらダメです。
もっとおおらかに、気楽に考えましょう。
最後に、これが最も大切なことだと思いますが
「あなたがやりたいことかどうか」
です。
よほど辛いことやしんどいことでなければ、
「出来ること」というのは増やしていけます。
実際、あなたもそうですよね。
例えばFP資格を取る前は、
お金についてほとんど何も知らなかったはずです。
それが今では、お客様にお金のことについて
教えることが出来るまでになっているんです。
それって、スゴイことです。
つまり、昔はできなかったけど、
がんばって出来るようになった
ということですよね。
ですので、出来ることというのは
努力次第で増やしていけます。
でも、やりたいことというのは
そういうのとは全く違いますよね。
さて、このやりたいことが何か?
を見つけるのはこれはこれで
結構大変だったりします。
最初から「これやりたい!」と決めて、
その実現のために猪突猛進できるような人ばかりなら
多分世の中悩みなんて無いと思いますが、
実際は
「結局私、なにやりたいんだろう?」
って人も多いと思います。
そこでお勧めの方法は
「やりたくないことを明確にしておく」
です。
どんな感じでもいいです。
例えば、
これは単なる例に過ぎませんから、
「あなたのやりたくないこと」
オリジナルリストを作ってください。
そうしたルールを決めた上で、
あなたが出来ることを軸に
ビジネスを進めていけばいいでしょう。
そうやって活動しているうちに、
自然とやりたいことが見つかっていく場合もありますから
あまり悩まずどんどん進めるのがお勧めですね。
こういう話をすると、どうしても抽象論になってしまって
分かりにくかったかもしれません。
(公開記事だとどうしようもないですね…)
でも確実に言えるのは、
FPビジネスが今後より「顧客側」向きに
なっていくだろうということです。
要はFDが強化されていく、
ということですね。
これが理解できない、実施できない企業、個人は
どんどん淘汰されて然るべし、
とまで金融庁は言っていますから
今後本気で取り組む必要があるでしょう。
個人で始める場合も全く同じです。
以上、参考にしてみてください。
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