FP協会のビジネスインフラって独立FPにどの程度インパクトがあるの?

日本FP協会から
「第17回通常社員総会議案」
というのは届いていると思いますが
もう目を通しました?

「忙しくて面倒だから」

と、そのままゴミ箱に…
という方も多いかもしれませんが
そんな方のために。

大事な部分をピックアップしてみました。

目次

FP協会が推進する「ビジネスインフラの拡充」とは?

日本FP協会は様々な取り組みをしていますが
中でも我々個人FPや独立系FPに関係ありそうなのが
「ビジネスインフラの拡充」という項目です。

「実務能力向上のための研修体系の整備」
という項目も大切ですが今日はこちらは省略。

で、ビジネスインフラの拡充ですが要は
FP協会側で「FPの活躍の場」を増やそうということです。

これ自体、独立FPには非常に朗報で
もしこのビジネスインフラとやらが十分大きくなれば
FP協会のインフラだけで食べていくことが
できるようになるかもしれません。

そうすれば面倒な集客からも
おさらばだ!って寸法です。

魅力的ですよね。

で当の議案内容を見ると2017年度は
こちらのような活動をしたようです。

地域独自のFP普及促進

「生活困窮者自立支援法に基づく家計相談事業」
「ひとり親仮定など生活向上事業」を推進するための
FP推進員を地方にも拡充したとのこと。

さらに「くらしとお金のワークブック」を利用して
ライフプラン表等を作成する体験講座の企画
開発に取り組んだともあります。

国と地方の団体や日本FP学会との組織的な連携強化

詳細まで書くと大変なので
まずは項目だけピックアップします。

  • 金融経済教育推進会議との連携
  • 金融コンシェルジュ(金融庁)
  • 修学支援アドバイザー(文部科学省)
  • スカラシップ・アドバイザー(文科省、日本学生支援機構)
  • 住み替え等円滑化推進事業(国土交通省)
  • 生活困窮者自立支援法における家計相談(厚労省所管)
  • ひとり親家庭等生活向上事業(厚労省所管)
それぞれに相談員を派遣したり
セミナー講師を派遣したりと
FPビジネスのインフラ拡充が
着々とされている事が分かりますね。

例えば僕も参加しましたが
スカラシップ・アドバイザー養成プログラムは
大変盛況でのべ16回開催し約2,600名の
スカラシップアドバイザーを認定したとあります。

なかなかすごいですね。

その他就学支援アドバイザーは49回のセミナーを実施、
住み替え等円滑化推進事業は5回の研修会を実施
などと実績を積み重ねていました。

将来、FP協会のビジネスインフラだけで食っていけるか?

非常に心強い活動がなされているとはいえ、
実際問題としてどれぐらいインパクトがあるのか
FPとしては数字や金額も気になります。

FP協会によれば2017年度末時点で
個人会員数が199,604名と約20万名の
会員がいます。

このうち、約7%が独立系のFPとされていて
だとすると全国に約14,000名の独立FPが
存在することになります。

さらに、学生や主婦FPなどこれからのFPは
約14%、約28,000名にのぼります。

28,000名全員が独立系を目指すわけではないにせよ
内1割が目指すとしたら2,800名になり、
上記14,000名と合わせて16,800名。

約17,000名となります。

じゃぁ、この17,000名が
どうやって自立していくのかという話です。

士業事務所に所属していて、
そこの事務所が潤っていれば問題ないです。

ですが、そうでもなければ

「ある程度、もしくは100%、
自分で仕事取ってきてね」

という状態になります。

ざっくり見積もって半分ぐらいだとしても
8,500名、約1万名弱が
自分で集客して食っていく
必要があるわけです。

これって結構な数字だと思いませんか。

さらにいえば企業所属のFPだって
ずっと安泰だとは言ってられません。

金融庁が推進するFDをしっかり実践するためには
今後フィーを頂けるだけの力が必要になるでしょう。

(参考)

保険営業インセンティブ直撃!「保険募集人ガイドライン」にある衝撃の一節とは?



また今後副業解禁が広がっていくにつれ
自分自身でセミナーを開催したり
フィーを取って相談に乗るといった
「企業に依存しない」仕事も
増えていくのではないでしょうか。

だとすれば、ビジネスインフラが必要なのは
たったの1万名弱ではなく、もっとたくさん
2万名、3万名ぐらいいてもおかしくはありません。

FP協会のビジネスインフラの規模

ではこの数万名が期待するFP協会のビジネスインフラが
どれぐらいの規模(売上)になるか推測してみます。

議案には具体的な売上数字の記載がなく
こちらで想像するしかないのですが
相談やセミナーの件数は全て合わせても
数百件から1,000件程度と思われます。

最も多い就学支援アドバイザーでも
49回のセミナー+475件の相談です。

では、1件1万円の売上規模だと想定して
トータル1,000件分の相談があって
ようやく売上1,000万円。

仮に1万名のFPが年間1,000万円売上るには
1,000億円の売上が必要ですが
FP協会のインフラでは1万分の1の規模ぐらいしかない
という事が見えてきます。

FP協会の活動は価値が高いと思いますし
今後も期待したいのですが
いかんせん、まだまだ規模が小さすぎます。

これに頼ろうと考えるのは
時期尚早だと言えるでしょう。

おそらく今後インフラ規模を拡大しながら
5年、10年してようやく独立系FPの
売上の1割にもなればいい。
そんな感じじゃないでしょうか。

というか、もしそれぐらいになれば
FP協会としては大成功だと言えるでしょう。

だって売上1,000万円のFPは
100万円がFP協会の仕事でしょ。

客観的に見ても、
それはすごいよね。

結局、自分でなんとかするしかない

5年、10年待てるならのんびりすればいいですが
こちとら生活かかってますので
そうも言ってられません。笑

上記の考察からも
やっぱり自分で集客して
売上をあげていくしかなさそうです。

仮に10年後、FP協会のインフラが
十分成長したとしても、そのときまでに
自分でがんばって成長してきたFPと

そうでないFPとでは「できる仕事」の差が
取り返しのつかないぐらい広がってるんじゃ
ないでしょうかね。

世の中、決してうまい話なんてありません。

FP協会から得られるご利益は
結局「会員費」程度だと考えて
地道にがんばっていくしかないでしょうね。

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