こんにちは。行列FPの林です。
実務に役立つFP必携の手帳、「FP手帳」。
実際に使ってみればすごく役に立つのですが、値段もそこそこしますから悩んでいるFPも多かろうと思います。
ということで、今年もFP手帳(セパレートタイプ)のレビューをしますので、参考にしてくださいね。
目次
FP手帳は近代セールス社が販売しているFP専用の手帳で、大きくダイアリーと資料で構成されています。
恐らくは資料部分だけ持ち歩きたい、というニーズが強いのでしょうか、ダイアリーと資料が別々になっているのがこの「セパレートタイプ」です。
なぜだか分かりませんが、普通のFP手帳はAmazonなどから買えるのですが、このセパレートタイプは近代セールス社のページからしか買えないようです(上記のリンクから購入できます)。
通常のFP手帳とセパレートタイプとの相違点を、抜粋すると
- カレンダー部分は、左ページがカレンダー(1週間)、右ページがメモ
- 「Monthly Plan(月間予定表)」が月曜始まりに。また、左端部分が「チェックリスト」変更
- 週間カレンダー各月の冒頭にあった「○月のこよみ」欄、地下鉄路線図は削除
- FP手帳にある「SHOT NOTE」は付いていません
なので、セパレートタイプであるメリットと相違点を考えながら、どちらがいいか選択してくださいね。
FP手帳にはセパレートタイプとそうでないタイプの大きく2種類がありますが、セパレートタイプのカバー色は選べず、「ブルーブラック(裏レモンイエロー)」一色となります。これは今年も同じ。
FP手帳2018年版との比較。見た目の違いはほぼない。
僕はこの色キライじゃないんですけど、無難な色なので、もう1色ぐらい、アイボリーとかピンクぐらいから選べるといいのでは?と思いましたね。
セパレートタイプの名の通り、カレンダーと資料が分かれています。
完全に分離して使用したり
資料編だけカバーに入れて持ち運んだりできます。
ダイアリーも資料も、表紙がしっかりしてるのでカバーなしでも十分使用できますね(ただしねずみ色でちょっと味気ないですが…)。
カバー色が気に入らない人は、いっそ資料だけとかでもいいかもしれません。
ダイアリーと資料をカバーにセットして、スーツの胸ポケットに入れてみました。
というか、そもそも胸ポケットに入るのか?というと、カバー付きでもしっかり入ります。それぐらい横幅をスリムに作ってあるということですね。
ただし、縦方向の長さと厚みがあるので、これを胸ポケットに入れると…
こんな感じで、少々胸が膨らんでしまうようです。
これを気にするか気にしないかは人それぞれかもしれませんが、個人的にはポケットに入れるなら資料のみ(か、それにカバーを付けたもの)がいいかと思います。
FP手帳2019の資料編は2018年8月1日現在の法令等に基づいて作成されています。去年のFP手帳が2017年8月1日現在の法令等ですから、毎年8月1日を基準に1年分更新していますね。
(ちなみに2019年版では「2018年」、2018年版では「平成29年」と記載されていて、今年平成が終わることをここでも実感しました…笑)
資料編の目次を比較すると、1箇所だけ変わってて、2018年版にあった「近年の年金制度改正と実施スケジュール」が2019年版ではなくなってました。
こういうこともあるので、FP手帳資料編は毎年手元に残しておくと便利ですね。
だからといって2019年版が劣るということではなく、様々な部分が更新・補足されてますのでこれはこれで最新版としての価値があるということです。数字は当然、2018年8月時点の最新データ。
例えば2018年から始まった「つみたてNISA」の説明は、2018年版では文章の説明しかなかったものが、しっかり表形式で見やすくまとまってました。
なので、FPならば毎年1冊は買いたい手帳なのです。
FP手帳<資料編>デジタル版無料閲覧サービス(近代セールス社)
こちらのページから必要事項を登録すると、近代セールス社からメールで案内が届きますので、それにしたがって資料編の電子版を利用することが出来るようになります。
この電子版資料については、去年のFP手帳で詳しくレビューしています。
その際は結構辛口になってしまったのですが、はたして今年はどうでしょうか…?
まずはデジタル版閲覧に必要なIDとパスワード発行手続きです。FP手帳を購入したら、こちらのページから登録して、IDとパスワードを申請しましょう。
メアドや氏名、それからFP手帳に付属している発行日を記入すれば、IDとパスワードがもらえます。
前回はパスワード発行まで相当待たされましたが、今回は申請の5日後にパスワードが届きました(年が明けて2月に申請してますので、その影響もあるのかもしれませんが)。
このあたりは改善しているようで、ホッとしました。
ただまぁ、このご時世、IDとパスワード発行だけで5日もかかるのかな?とは思いました。
自動化されてないのかなぁ…?
さて、IDとパスワードが手に入ったので早速PCとスマホで資料を閲覧してみました。
PCで閲覧する場合は、Flash版とHTML5版を選択できます。
画面下側に基本のツールバーがあり、左側に次の4つのメニューがあります。
まぁ、僕の環境だけなのかもしれません。「テキスト目次、表示出来るよ!」という方は、ブログのコメント欄などで教えていただけると嬉しいです!
Flash版に比べると、「目次・ビジュアル」しかなく、シンプルな感じです。下側のツールバーも、ページ数直接移動の機能も無いようです。
Flash版が使えなかった場合の予備、という位置付けなのかも知れませんね。
まずは嬉しい報告を。検索スピードが昨年版に比べ、めっちゃ高速になってました!
上の昨年レビュー記事を読んでいただければ分かる通り、昨年は1つ検索するのに1分、2分とかかってました。
それが、なんと数秒で候補が現れるように!
めっちゃ進化してて、驚きました。
ようやく検索機能が実用的になって、嬉しい限りです!
近代セールスさん、ありがとうございます。
Flash版、HTML5版共に「付箋を付ける」機能があります(画面下のツール版右側)。
付箋データをデバイス間で共有できるかなと期待しましたが、それはどうやら出来ないようです。ローカルPC内にデータを保存して、それを呼び出してるっぽい。
アマゾンのKindleなどで慣れすぎてるからかもしれませんが、このあたりは少々物足りなく感じます。まぁ、期待しすぎなのかもしれません。
ちなみに、HTML5版で付けた付箋を、呼び出す方法が分かりませんでした。やっぱりFlash版を使え、ということなのかな。
共有といえば、PC版のツールバー一番右に、「共有」というボタンがあります。
もし特定のページを共有できれば、例えば事務所のメンバー間で「このページ役に立ったよ!」とかいった使い方ができますよね。
ということで試してみましたが、単にHTML5版が開くリンクでした。
うーん、活用方法が想像できない…。
正直、これは使わない…かな。
次いでスマホでも試してみました。
ただ、大変残念なことに「Android版」ボタンをタップしても、アプリが起動しませんでした…orz
Googleプレイから予めインストすればできるのかなとも思い、検索してみましたがそれっぽいアプリも見当たらず…
HTML5版は動作したので、なんとか閲覧はできるのですが、上記の通りHTML5は機能限定版ですので残念な限りです。
ボタンはあるので僕の環境のせいかもしれないのですが。
iPhoneだといけるのかもしれません。
ということで、残念ですがスマホ版のレビューは今回、割愛します。
ちょっと残念だな…と思っていた折、2月27日に近代セールス社さんから「FP手帳<資料編>アプリ」の配信を開始した、とのお知らせを受け取りました!
どれどれ、有料版だけど無料で使える部分もあると…。それならレビューしないわけにはいきません。笑
詳しい特徴はアプリの詳細ページをご覧ください。早速Android版をインストールして試してみました。
で、サクサク動いて、これはいいですね!画面構成も、スマホやタブレットに最適化されているので、とっても見やすいし使いやすい。
FP手帳付属のデジタル版が使えなかった分、これは嬉しい限りです。
欲を言えば1つ手前に戻るのが出来ないなどの改善点もあるようですが、リリース直後でこの出来なら、今後が期待できます。
このアプリのもう一つの特長が「シミュレーション機能」。
記事執筆時点で、これだけのシミュレーション機能があります。
早速有料版に申し込んで試してみましたが、借り換え計算とか、どれだけお得になるかとか参考になるので、使えそう、という印象でした。
もちろんお客さんの個別の事情は異なりますけど、相談中、その場で大まかな目安を示すには便利な機能だと思います。
税金計算なんかは、お客さんの具体的な数字で計算するのは税理士でないとできませんが、自分自身や一般事例で計算したり、あるいは記事を執筆するときの計算例として参考にする分には、FP資格だけでも使えると思いましたね。
このへんは、アイデア次第で結構使えるんじゃないかなと、思います。
ただ入力には専門知識も必要で、あくまでもFP(専門家)用のツールだと思います。少なくとも上記の単語が理解できなければ、計算結果も意味不明でしょう。
ずいぶん持ち上げましたが(笑)、懸念点もあります。
一番の懸念はやっぱり月額350円(税込)の使用料ですね。年間なら4,200円になります。
FP手帳が2,376円。ジャンルは全然違いますが、アマゾンプライムが年間3,900円。
これを高いと見るか安いと見るかは、活用法次第かな、とは思いますが、個人的には若干高いかなぁ、とは思いました。
まぁ業務で使うということで、事務所や会社に費用負担してもらうなら、問題ないレベルでしょう。あとは上司を説得するだけです。実は法人会員契約というのもあるみたいなので、比較的規模の大きい事務所なら、それも選択肢の1つでしょう。
あ、そうそう。朗報としてはGoogleアカウントが同じデバイス間なら、複数デバイスで使えるみたいです。
僕のスマホとタブレットの両方で、有料版が使えました。確認してませんが、iPhoneとiPadでも、同様に使えるかもしれません。
ただ、ですね。
これだけのアプリをリリースしたなら、やっぱりぜひFP手帳の資料編デジタル版を、こちらのアプリに統合して欲しいです。
こんなに使いやすいアプリなら、FP手帳のデジタル版は正直、不要だろうと…(PC版は、有用ですが)。
実はこのアプリの無料試用では、資料の一部しか見れません。これを例えばFP手帳購入者なら資料編だけ、1年間は全文見れるようにするなどといった展開が想定できます。
そうすれば使いやすいアプリ目的で毎年FP手帳が一定数売れるでしょうし、アプリを使う習慣がつけば、シミュレーション機能も使いたくなって有料版のコンバージョン率もアップするでしょう。
近代セールス社様、ぜひ、ご検討の程よろしくお願いいたします。
今年もFP手帳セパレートタイプを購入、レビューしてみました。電子版アプリのレビューも含め、ちょっと熱が入ってしまいましたが(笑)参考になれば幸いです。
全体的にFP手帳は毎年進化しており、今年も目が離せない進展がありました。
もちろん、今後さらなる改良や進化が期待されますので、来年もレビューします。
あなたのFP業務に、FP手帳をぜひ役立ててみてください。
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