副業・独立起業を目指すあなたへ。確定申告と税金の注意点とは?

こんにちは。行列FPの林です。

正社員やパートで働く多くの人は、あまり税金のことに詳しくなくても決められた制度の中で、適正に税金が徴収されています。毎月の給与の中から税金を差し引く「源泉徴収」といわれる制度により、会社がまとめて所得税を納めているためです。

源泉徴収に加えて年末調整により税額が確定し納税が完了するため、通常、会社員などの場合、確定申告する必要はありません。

しかし、副業をしたり独立起業する場合は、自分で確定申告を行い納税する必要があるため、よりお金と大事に向き合うためにも基本的な税金のことや確定申告について理解して、お金を上手に取り扱えるようになりましょう!

この記事のポイント
・副業・独立を目指す人が知っておくべき雑所得、事業所得、給与所得の基本
・雑所得と事業所得の違いとどちらを選ぶべきかのポイント
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副業から独立起業へ。知っておきたい税金の基礎

今回は、副業や独立起業したときに納税者に有利に選択することができる雑所得と事業所得について詳しく解説していきます。

雑所得と事業所得、給与所得の違いとは

上記のように会社員などで給与所得のみの場合、通常、確定申告をする必要はありませんが、今後、副業や起業する人は、税金の勉強をして上手に税金と付き合わなければなりません。

今回のテーマになる雑所得、事業所得、また身近にある給与所得は簡単に説明すると以下のとおりです。

  • 雑所得 …… 税法に定められている9つの所得区分のいずれにも該当しない所得
  • 事業所得 … 小売業・サービス業などで継続的に行う事業から得る所得
  • 給与所得 … 勤務先から受ける給与や賞与等、労働の対価などによる所得

実際の所得の区分はその性格により10種類に分けられますが、今回はこの3つの違いを知って、雑所得と事業所得の違いの理解を深めていきましょう。

雑所得と事業所得のどちらを選ぶと得なのか!?

その所得が雑所得なのか事業所得なのか明らかに分類される場合ももちろんありますが、すべてにおいて明確な基準があるわけではありません。

そのため、それぞれのメリットとデメリットを知って、あなたがこれから副業・起業したとき、どちらを選択したほうが賢明なのかを自分でも判断できるようになるとよりお金への関心が高まり、起業したときにお金への感性が磨かれることにもつながるでしょう。

*実際の個別の税務・税金については、税務署や税理士さんなどの専門家に確認するようにしてください。

雑所得と事業所得の違い

2つの違いを説明する前に、所得とは具体的になにを指すのでしょうか。よく間違えられることですが、「所得=収入」ではありません。

所得とは、給与などの得た収入から必要経費を差し引いたものです。そのため、収入>所得という関係が成り立ちます。

雑所得

雑所得とは、税法に定められている9つの所得(利子・配当・不動産・給与・事業・退職・山林・譲渡・一時)のいずれにも該当しない所得のことです。

例を挙げると、アフィリエイト収入、原稿料、仮想通貨の売買損益などが該当します。

なお、時代の変化とともに追加になったり、今まで雑所得に該当していたものが譲渡所得に変更になったりすることもあります。

必要経費が認められるため、売上原価や通信費・交通費など、その収入金額を得るために要した費用は経費として差し引くことができます。(収入-経費=所得)

事業所得

事業所得とは、製造業、小売業、サービス業など、雇用されずに自ら営んでいる事業から得る所得のことで、反復継続的に得る収入が対象になります。

その他、自営業、フリーランス、独立起業者などの収入は基本的に事業所得となります。

こちらも雑所得と同じく経費が認められるため、反復継続的に得た収入のために要した費用は経費として差し引くことが可能です。

給与所得

給与所得とは、正社員・パートタイム問わず雇用されて得る所得のことです。

経費は認められていますが、給与所得者の実際の経費を算出することは困難であるため、収入金額に応じて決められる「給与所得控除」に含まれて計算されています。(給与所得=収入-給与所得控除)

なお、給与所得控除は2020年税制改正で減額されているため、少なからず給与所得者の納税における負担となっています。

雑所得と事業所得の税金(所得税)の取扱い

雑所得は、20万円以下の場合は申告がなくても構いませんが、これは所得税についてのみで、住民税については申告が必要になります。

また、2022年以降確定申告について、収入金額による以下の新しいルールが追加になります。

前々年の収入金額内容
300万円以下現金主義で所得計算可
300万円超1,000万円以下書類保存の義務化(5年間)
1,000万円超書類保存の義務化(5年間)と
確定申告書に経費等の帳票の添付

特に300万円を超えるときは、領収書等の書類の保管が義務化されますので、事務処理が多少煩雑になると思われます。

また事業所得は、一定の要件を満たし申請をし承認を受けることで、青色申告制度の特典である「青色申告特別控除」の適用を受けることができます。

青色申告特別控除では、所得金額から55万円の控除を受けることができますが、e-Taxによる電子申告を行えば、65万円の控除を受けることが可能です。

雑所得の確定申告ルール変更についてはこちらの記事も参考にしてください。

雑所得と事業所得のどちらを選ぶべきか?

では実際、雑所得と事業所得のどちらを選ぶべきなのか、それぞれのメリットとデメリットを確認していきましょう。

雑所得のメリットとデメリット

雑所得の最大のメリットは、20万円未満であれば確定申告が不要になることでしょう。ただし、申告が不要になるのは年末調整によって清算が済んでいる給与所得者だけですので注意しましょう。

またデメリットは、一部の例外を除き、損益通算や損失の繰越しができないことです。

これが可能であれば、マイナス分だけ所得を抑えることができ節税に繋がるため、大きなデメリットといえます。

上記のようにデメリットもありますが、通常のプラスの所得だけで考えるのであれば、20万円未満など所得が低い場合は、確定申告不要の雑所得がおすすめです。

事業所得のメリットとデメリット

事業所得のメリットは、赤字のなったときに損益通算が可能なことで、かつ、損失繰越ができるため損失金額を3年間繰り越すことができます。これは、所得を抑えることとなり大きな節税対策となります。

また、もうひとつのメリットは、「青色申告特別控除」を受けることができることです。

青色申告特別控除は、先述の通り、所得金額から最高55万円(e-Taxの場合65万円)を控除することができるため、所得が大きくなればその効果も大きいといえます。

また、デメリットは、所得が290万円以上になると個人が営む事業に対してかかる個人事業税(事業内容により税率3~5%)を納める必要が出てきます。

一部対象外の業種もありますが、対象になった場合、「事業所得×税率」で計算された事業税を都道府県に納めなければなりません。

このように、税金がかかったり確定申告する手間もかかりますが節税効果も高いため、継続的に事業運営をしていくのであれば事業所得を選択すべきといえます。

まとめ

雑所得・事業所得・給与所得の違い

雑所得、事業所得、給与所得の違いがおわかりいただけたと思います。

雑所得は所得区分のうち他の9つの分類のいずれにもあたらない所得です。事業所得や給与所得とあわせて比較しても控除額など税金の取扱いにそれぞれの違いがありました。

雑所得と事業所得はどちらを選ぶべきか!?

雑所得は簡便という大きなメリットはありますが、あくまで一時的なものと考えるのが賢明でしょう。

事業所得は、雑所得と違い手間もかかりますが税制面でのメリットもあり、また所得が多い場合は特典も多いため、金額が大きく反復継続性のある場合は、事業所得を選択すべきといえます。

それぞれの特性を正しく理解し、どちらかを選択しなければならないときには的確に判断して副業・起業時代を上手に生きていきましょう!

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