ブルーオーシャン戦略から学ぶユニクロとFPの注意すべき違いとは

ブルーオーシャン戦略という
マーケティング上の戦略概念があります。

これから独立、起業したいFPにとって
参考になりそうな戦略に見えますが
そのままでは使えません。

目次

FPがブルーオーシャン戦略を参考にする場合の注意点

結論から言えば

  • 独立FPが競合のいない場所を探すのはブルーオーシャン戦略と同じ。ただし市場規模は(当面)小さくて構わない
  • 独立FPの価格戦略は低価格(ペネトレーション・プライシング)ではなく、高価格(スキミング・プライシング)で戦う
ということになります。

以下、一つ一つ詳しく見ていきますが
その前にレッドオーシャンとブルーオーシャン戦略の
違いから始めましょう。

レッドオーシャン戦略とブルーオーシャン戦略の違い

レッドオーシャン市場とブルーオーシャン市場の
違いを端的にいえば

  • 競争があるかないか。レッドオーシャンは血みどろの競争市場だけど、ブルーオーシャンは競争が少ないか、ほぼ無い。
  • ブルーオーシャンには競争が無いにもかかわらず、需要がある。
ということになります。

レッドオーシャン(赤い海)とは
血で血を洗う熾烈な戦場をイメージした
競争の激しい市場を意味しています。

当然ながらレッドオーシャン市場で戦うには
相当な努力と資本が必要になります。

それでも皆が参戦してくるのは
そこに大きな需要があることが
既に分かっているからなんですよね。

そこでシェアを奪って勝つことができれば
莫大な需要(売上)を手にすることが出来ます。
これがレッドオーシャン戦略のメリット。

逆に言えば、競争の少ない市場というのは
需要も少ないのが一般的
なんです。

一方、ブルーオーシャン市場とはそれとは異なり
競争が少ないにも関わらず需要がたっぷりある
市場のこと。

これについては

  • 誰も気づいていなかった。たまたま見つけた。
  • 気づいてはいたが、そんなに需要があるとは思っていなかった。
  • 需要があるのは分かっていたが、理由(規制、市場環境、技術などの制約)があって参入できなかった。
などの理由により、ブルーオーシャン市場が発見
または創造されたということが言えるでしょう。

ブルーオーシャン戦略は
ブルーオーシャン市場を発見し
誰よりも早く市場を独占する戦略なのです。

余談ですが
ブルーオーシャン戦略は「戦略」と名がつくものの
競争はありませんから戦略不要と言えます。

戦いを不要にする方法ですから
ブルーオーシャン策略というのが
正しいのかもしれません。

ユニクロから学ぶ小規模FPが取るべき戦略

せっかくですのでブルーオーシャン戦略の
事例でよく出てくる「ユニクロ」を参考に
小規模FPがどう戦うべきかを考えていきましょう。

ユニクロ、シルク・ド・ソレイユのブルーオーシャン戦略とは

よく言われるのが「ヒートテック」などのユニクロ独自の商品で
高品質なのに低価格というコンセプトが受けて
市場を一気に拡大させました。

またユニクロの戦略の場合は
「低価格」というキーワードも出てきます。

低価格に設定するのは、その新しいブルーオーシャン市場を
一挙に独占し、他の参入を許さないようにするためです。
(これをペネトレーション・プライシング戦略といいます)

一方シルク・ド・ソレイユというユニークなショービジネスは
他のサーカス等のショービジネスと比べて大いに差別化し
かつ高価格を維持しているそうです。(当時)

これはユニクロやその他大企業の戦略ですが
個人や小規模のFPは薄利多売型ではありませんから
ユニクロの低価格戦略は真似すべきではありません。

(にも関わらず低価格でサービス提供しているFPは多いですね…)

どちらかといえばシルク・ド・ソレイユ型の
ブルーオーシャン戦略を選択すべきでしょう。

以下、具体的に見ていきます。

競争していない市場を探す

これはブルーオーシャン戦略と同じです。

個人や小規模経営のFPにとっても
競争が激しいところで戦うのは
非常に厄介で大変なことです。

競争の激しい市場というのは既に需要が
一定以上あることが確実ですから
競争に勝つことができれば成功は約束されています。

そういうメリットはあるので
勝てると思えば参入してもいいですが
独立起業したての駆け出しFPがいきなり
血みどろの市場で勝つのは容易ではないでしょう。

具体例でいえば
「無料保険相談市場(保険代理店市場)」で
戦うかどうかです。

保険の無料相談窓口はコンビニまでとはいいませんが
少し人通りの多い場所にはほぼ確実に存在してますよね。

少し観察するだけでも店舗数が非常に多く
競争が激化していることが推測されます。

そういうなかば「飽和」気味の市場で
戦うには多くの資本とコストがかかることは
簡単に想像できますよね。

少なくとも僕はそこには参入しませんし
これをお読みのあなたにもお勧めはしません。

だからこそ、あなたなりのブルーオーシャン市場を
探す必要があります。

FP独自のニッチを攻める

じゃぁどうするかというと「独自のニッチ」を
探し、そこを攻めるのが大切です。

例えば先日、こちらのFPをご紹介しました。

サービスメニューもないのにライフプランの申し込み獲得って一体…笑

農家専門FPという独自の切り口で
自らも農業をしながらライフプラン相談に乗る
FPです。

ターゲットが「農家」だけとニッチですから
大企業は参入しにくいですし
農業経営をしているFPというのも少ないでしょう。

ですので「競争の少ないニッチ市場」を
攻めることができているといえますね。

ブルーオーシャン市場は「オーシャン(海洋)」という
言葉のイメージの通り、非常に広い市場を想定していますが
小規模FPにとっては、ニッチだろうと十分広い海です。

そういう意味で、小規模FPにとっては
ニッチ戦略こそが
ブルーオーシャン戦略かもしれません。

ここは大企業のマネをする必要はありませんし
むしろ真似をしてはいけません。

価格戦略も重要

ユニクロの例では低価格で
一気に市場シェアを獲得してしまう
戦略が示されていました。

実際、ユニクロもそうして一気に
市場を獲得してきた実績があります。

大きなブルーオーシャン市場であれば
低価格(薄利多売型)であっても十分な利益を出せます。

ですがこれは大企業の戦略。

われわれ個人や小規模経営のFPは
上記のような小さい市場を攻めるので
価格戦略はむしろ「逆」になります。

価格戦略も非常に重要なのですが
低価格戦略(ペネトレーション・プライシング戦略)に対し
高価値戦略(スキミング・プライシング戦略)を
採用します。

これはライバルが少ないからこそできるというのと
そもそも小さい市場なのに低価格にしてしまうと
売上が伸びず、結局撤退してしまう可能性が
高まってしまうからです。

折角みつけたニッチ市場なのに
撤退するのは惜しいですよね。

またその市場にいる顧客にとっても
サービスを提供してくれるのは
実質あなたしかいないわけです。

なので、多少高額でもサービスしてくれたほうが
メリットがあるわけですよね。

これはFP、顧客双方がWIN-WINの関係になりますので
価格戦略は間違わないようにしてください。

これも大企業と小規模事業者の
違いといえます。

ブルーオーシャン戦略から学ぶFPの戦略

ブルーオーシャン戦略を事例に
個人や小規模FPが取るべき戦略について
お話しました。

ブルーオーシャン戦略の特徴のうち
競争が少ない部分は参考にしながら
市場規模や価格戦略は小規模FPにフィットした
戦略をチョイスしましょう。

マーケティング戦略というのは
丸パクリするのではなく、適材適所で
うまく組み合わせるのがベストです。

ぜひ参考にしてください。

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