モチベーションは古くからあるテーマですが、最近、モチベーションを上げることにまた注目が集まっているように思います。
でもアプローチによってはちょっと危険な考えでもあるんです。
目次
最近では「モチベーション」の話題を耳にすることが増えたように思います。
「スピリチュアル」のような話から、「意志力」の磨き方の話題まで、モチベーションの話は多岐に渡っていて話題に事欠かない状況です
これらの話の背景には
「モチベーションは上げなきゃなんないんだ」
とか、
「モチベーションが低いと仕事ができないよね」
といったある種の「モチベーション神話」のようなものがあるように思います。
確かにモチベーションは重要で、モチベーションが低いと仕事もなかなか進まないし、仕事の質も下がってしまうように思いますよね。
では仮に、
「モチベーションが仕事の質や量を左右する」
と仮定しましょう。
これは一見、否定しようがないぐらい説得力があるように見えます。
確かに我々は、モチベーションが低いときに、仕事をバリバリこなしたり質の高いサービスを提供するのは難しいと感じることがよくあります。
ではもし、仕事の質がモチベーションに左右されていいという考えに立つならば、あなたの給料だって上司のモチベーションに左右されていいということになります。
「そんなこと、断じて許せない!」
そうですよね。
でも、あなたを評価する上司だって人間です。
当然、彼らにもモチベーションがあるわけです。
そして上司の仕事の一つは、あなたを査定し、あなたの給料やボーナスの額を決めることです。
あなたは先程、
「仕事の成果はモチベーションに左右される」
という仮定を受け入れましたよね。
ということは、上司があなたの給料の額を決めるという仕事の成果もまた、上司のモチベーションに左右されることを受け入れないといけません。
自分がもらう給料だけは別だ!と主張するなら、それは自分中心の発想、日本語では「自己中」といいます。
…違いますか?
「いや…それは困る…」
ですよね。
僕だって、自分の給料が他人の気分次第で決まるのは、やっぱりおかしいと思います。
いまは給料ではありませんが、頂く報酬が顧客の気分次第で変わったらそれはそれで大いに問題です(苦笑)
つまりここに、モチベーションを考える上で
「自分視点か、他人視点か」
という重要な問題が潜んでいることが分かるわけです。
つまりこうです。
確かに仕事の成果というのはモチベーションに左右されそうなんだけど、それは他人から見たときには関係のない話なんです。
サービスを「提供」する側から言えばモチベーションは問題なんだけど、サービスを「受ける」側から見ればそんなの関係ない、ということです。
これは当たり前の話で、モチベーションごときでサービスの質が上がったり下がったりしちゃうなら、怖くて頼めませんよね。
例えばディズニーリゾートに行ったとして、でも実はそのときのキャストのモチベーションが低く、あなたに対して愛想が悪かったり、ぞんざいに扱われたりしたら、あなたは二度とディズニーには行かないでしょう。
ということはつまり、モチベーションで仕事の成果を左右してしまうと、そのビジネスは「成立しなくなってしまう」ということなんです。
これは実は困った問題です。
確かに、モチベーションというのは、仕事の成果を左右する要因になりえるからです。
ではこの矛盾めいた状況をどう打開すればいいのか?
僕なりの対処法を考えてみました。
まず、顧客に面と向かってサービスしているような日々の具体的な業務については、モチベーション問題を持ち込まないことが大切です。
モチベーションが高い場合は大いに活用すればいいですが、仮にモチベーションが低くても、一定水準以上の業務レベルは維持するようにしましょう。
そうしないと、上記の考察から明らかなように、顧客離れを引き起こしてしまいます。
そうなっては元も子もありません。
その上で次の対策が重要です。
日々のモチベーションというのは変動があります。
これは気分に波があるのと同じ理屈です。
モチベーションが高い日があれば、モチベーションの低い日もあるでしょう。
台風が直撃する日に顧客とのアポがあるなら、どうやったってモチベーションは上がりにくいです。
ではどうしようもないのかというと、そういうわけでもありません。
長い目で見た「平均モチベーション」を上げていく工夫は十分可能なはずです。
長い目というのは、例えば1ヶ月とか、半年とか、1年とかいうスパンのことです。
人によっては、数年や10年単位のこともあるでしょう。
そういう長い目でみたときに、自分自身のモチベーションがどう変化するか考えてみることが大切です。
そして、そういう長期的なモチベーションを上げていくことが重要になってきます。
例えば今の仕事に不満があってモチベーションが低い状態が多いなら、同僚や上司にかけあってその不満を解消していく努力をする。
職場環境の能率が悪いなら、能率が良くなる工夫をして気持ちよく仕事が捗るようにする。
そうやっていくうちに、モチベーションの高い日が多くなっていき、平均的なモチベーションは上昇していくはずです。
結果として、仕事の能率や品質が少しずつ高まっていくことが期待できるでしょう。
そういった少しずつの工夫と努力により、長い目で見たモチベーションを上げていくのが大事だということですね。
モチベーションの影響をできるだけ避けながら、業務改善につなげていく「TEFCAS」という手法もありますから、こういうのを取り入れてみてもいいと思います。
さて、最後に大切な事を指摘しておきます。
それはモチベーションというのは、あくまでも「自分自身」の問題だ、ということです。
あなたが
「上司の気分次第で給料が決まるなんてもってのほか!」
と感じたのと同じように、あなたの顧客は
「あなたの気分次第でサービスの質が変わるのはもってのほか!」
と考えているのです。
あなたは
「私のモチベーションが上がらないのは職場環境のせいだ」
「私のモチベーションが上がらないのは、上司のせいだ」
「私のモチベーションが低いのは、顧客が少ないせいだ」
「私のモチベーションが上がらないのは、(あなた以外の)◯◯のせいだ」
「今日はモチベーションが上がらないので、仕事は休もう」
などと思っていませんか?
それなのに、私の給料はしっかりもらいたい、とか顧客は離れるはずがない、と考えているならちょっと虫が良すぎますね。
モチベーションはあくまでも「あなた自身」の問題です。
あなたが考え、行動することでしか解決しませんし、逆にいえば、あなた次第でどうにでもなる問題なのです。
こうした自己管理(セルフマネジメント)は最近特に重要になってきています。
従業員一人一人にセルフマネジメントが必要ですし、独立起業するなら、絶対必須のスキルと言えるでしょう。
セルフマネジメントに関する本もたくさんありますので、ぜひ一度学んでみてください。
まさかモチベーションを高めるためにセミナーに参加、なんて、してませんよね?
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