あなたはこんな言葉をご存知ですか?
事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
渋沢栄一
渋沢栄一はFPなら知らない人はいないと思いますが、幕末から大正初期にかけて大活躍した「日本資本主義の父」とも言われる人物です。
そんな人物がある意味では耳の痛い、ある意味では謎掛けのような言葉を残しています。
目次
渋沢栄一が残したこの言葉は非常に奥深いです。
相手を信用しなければ自分も信用されない、というのは直感的には分かるのですが簡単に実行できないのも事実です。
「あいつが悪い」
「世間が悪い」
「景気が悪い」(苦笑)
など、他人のせいにするのは人間の性みたいなもので、気を抜くとすぐにこうした言葉が口をついて出てきたり、頭の中をグルグル駆け回ったりする経験は誰にでもあるでしょう。
もちろん、過去の僕もこんな、猜疑心の塊みたいな人間でした…(苦笑)
渋沢栄一はそれを戒(いまし)めているわけですが、自ら一歩進んで相手を信頼するのはとても勇気がいることです。
でも、実はこれ以外に信頼を築く方法がない、ということが昨今の研究から明らかになってきています。
↓
ファシリテーションという技術はご存じかもしれませんが、相手との信頼を獲得し話し合いを円滑に進めるための技術のことです。
そのファシリテーションでは「自分の箱の外」に出ることで真の信頼関係を構築できる、としています。
要は相手への色眼鏡を外せということですね。
しんどいですが、結局それしかないならやるしかありません。
僕も今まで努力してきましたが、もちろん、痛い目にもたくさん会いました。
でも、やはりそれ以上に得るものが大きい気がします。(定量的には、示せませんけど)
なぜなら、世間には騙そうという人よりも、信頼して相手の役に立とうという人の方が結局多いからです。
もちろんこれは環境によってもその比率は変わってくるでしょう。
詐欺組織のような環境に身を置けば、周りは全員敵に見えるかもしれません。
でもそういう特殊な状況を除けば、基本的には信頼できる人の方が多いはずですからやる価値は十分にあります。
もし相手を信用し、相手に信頼されたければ自分をさらけ出す必要も出てきます。
なにか隠し事があるような人を、心の底から信用する事は出来ないからです。
もちろんプライバシーとかそういうのは別ですよ。
それは個人の自由の範疇です。
ですが、例えば相手に対して「こうして欲しいな」とか、「こういうところが不満だ」というようなことがあると、それを相手に言うかどうかは躊躇しますよね。
でも本当の信頼関係を築きたいのであれば、実は言ったほうがいい場合があります。
これは相手から嫌われるリスクを伴いますが、本気で信頼していて相手のことを考えていうならば、耳の痛い話をしても嫌われることは少ないです。
もし相手のためを思っていったことで、相手からの信頼をなくすようであれば、そもそもそれほどの信頼関係では無かったということでしょう。
もう一つ、相手から馬鹿にされかないかな、という恐れや不安もあるでしょう。
こういう心配をしている人は、自分の弱点が相手から見えないように必死で取り繕う事があります。
もちろん、自分を良くしようという向上心は立派ですが、それがあなた自身の本来の良さを隠してしまうのであれば、大変残念なことです。
例えば少人数で談笑しているときに、全面的に自己アピールをしている人も多い気がします。
まるで、凄い人でなければ仲間からの信頼が得られないと誤解しているかのような…。
でもそれって、信頼関係を築くために本当に必要でしょうか?
あなたが馬鹿にされないように、必死でアピールしているということでしょうか?
あなたは相手を「私を馬鹿にするかもしれない人」と思っているのでしょうか。
それって実はあなたが、本当は相手を信頼していないからではないですか?
それでは、どんなに自己アピールしたところで、真の信頼関係は築けないでしょう。
信頼関係が出来ている人はわざわざアピールなんてしなくても、相手を目下に見たり、馬鹿にしたりなんて決してしません。
子供を信頼している親が、経験や知識が未熟だからといって子供を馬鹿にしたりしますか?
しませんよね。
本当の信頼関係というのは、一緒にいて安心できることです。
実はこれが最も大切な状態です。
信頼関係が大事だとはいっても、じゃぁいったいどうやって信頼関係を築けばいいんでしょうか。
コツのようなものをいくつか挙げたいと思います。
傾聴とも言われ、顧客との信頼関係を築くのに重要と言われています。
しかしながら、傾聴が重要なのは、友達やビジネスパートナーでも全く同じことで、顧客のためだけのノウハウではありません。
僕は
「あまりしゃべりませんね」
と、言われることがあります。
それはその時、単に傾聴しているだけです。笑
人は、話を聞いてくれる人には好意を抱き、信頼関係を高めてくれるということを知っていますから、半ば「訓練」的に傾聴しています。
あ、もちろん話すときは話しますよ。
セミナーなら2時間でも3時間でも喋りますし、聞かれたら答えますので。
でも会話のときは、どちらかというと僕は傾聴を重視しています。
ただ全員が全員傾聴してしまうと会話が成立しません(笑)から、誰か一人、話す人が必要なのは言うまでもありません。
自分の役に立つ事を考える人は多いですが、相手の役に立つ事を先に考えられる人は少ないです。
でもこういう人は、あっという間に相手との信頼関係を築くことができます。
例えばこちらの本
↓
では、世界一のギバー(与える人)、アダム・リフキンについて紹介されています。
リフキンはフォーチュン誌が選んだ有力者640人と世界で一番つながっている男ということですが、そのリフキンが気をつけているのが
「5分間の親切」
です。
たったの5分、相手の話を傾聴し、相手の役に立ちそうな事や情報を与える。
それだけですよ?
たったそれだけを繰り返すことで、世界一のネットワークを築いたのですから与える事には凄い効果がありそうですね。
ちなみにリフキンが特別凄い人かというとそうではなく、本書ではシャイなコンピュータ・オタクと評しています。
ってことは、リフキンは社交的でもなんでもないのに出来ているわけですから、あなたも心がけるだけでできそうですよね。
「与えるばかりではただのお人好しになるのでは?」
という疑問を持った方、是非本書を読んでいただければそのあたりの解決法も示されています。
現代では「ギバー(与える人)」と「テイカー(奪う人)」との格差がどんどん広がっています。
もちろん、ギバーの方がどんどん上に登っていきます。
あなたはいつも、自分の事ばかり喋っていませんか?
それが相手の役に立たない事であれば、あなたは相手の時間を「奪っている」だけかもしれません。
僕も含めて、そうならないように気をつけたいですね。
相手の信頼を得るのはビジネスでは、最重要課題だと言っても過言ではありません。
特にFPという職業では、その重要性が際立っていると言えるでしょう。
相手の信頼を得る方法をまとめるなら
ちょっと勇気がいるかもしれませんが信頼から得られる価値は「無尽蔵」です。
ぜひ、今日からトライしてみてください。
信頼を得る準備はできましたか?
OK!
では早速、こちらの記事を参考に、具体的に動き始めましょう。
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