こんにちは。行列FPの林です。
新型コロナウイルスの猛威が全く収まりませんね。そんな中、収入を大幅に減らしているフリーランス、個人事業主など自営業者は多いと思います。かくいう僕も、少なからぬ影響を受けております(汗)
FPなら知っているかもしれませんが、フリーランスや個人事業主などの自営業者が入っている国民年金、国民健康保険には、収入が急減等した場合に対する特別な措置があります。
が、これらは平時の措置であり、非常時には使えないまたは使いにくいもので、新型コロナへの特別な対策が望まれます。
この記事では、収入が急減したフリーランス、自営業者が使える減免措置(予測)についてお話します。本記事執筆時点でまだ具体的な形にはなっていませんが、まずは分かっている情報から見ていきましょう。
非常事態なわけですから、できることは遠慮せず全部やりたいですよね。
目次
毎月国民年金保険料を支払っていると思いますが、収入が激減すると、国民年金保険料すら、痛いですよね…。
3月12日と古いですが、日本年金機構から、新型コロナウイルスの影響で国民年金保険料の納付が困難になった人への案内がありました。
今般の新型コロナウイルスの感染症の影響により、失業、事業の廃止(廃業)または休止の届出を行っている方など、一時的に国民年金保険料を納付することが困難な場合については、一定の要件に該当する方は、ご本人からの申請に基づき、国民年金保険料の免除が適用できる場合があります。
【国民年金被保険者の方へ】新型コロナウイルスの感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の免除制度の活用について(日本年金機構)
免除の詳細や手続きの方法については、市区町村またはお近くの年金事務所にお問い合わせください。
ただし「失業、事業の廃止(廃業)または休止の届出など」となっていますので、かなり厳しい条件ですね。失業や廃業まではいかなくとも、生活が苦しいということは当然ありますし、苦しいからこそ少しでも収入を得るために、廃業なんてできないと思います。
実はこれ、平時の制度をその場しのぎで案内しただけで、正直、新型コロナの対応には全くなっていません。今は平時ではありませんから、平時の制度でごまかすには無理があります。
国民年金保険料は年間20万円近くかかるので、このままの状態だと生活支援臨時給付金の30万円をもらったとしても、その約2/3が国民年金保険料で飛んでいく計算です。もっといえば自営業なら夫婦で国民年金を払っていることもよくありますが、二人で40万円近く払うわけで給付金以上に保険料がかかります。政府の給付金が全て年金保険料に消え、さらに追加で払わされる。一体なにをしたいのか、意味不明ですね。
…と、恐らくそのような批判があったかどうだかは知らないですが、以下のような閣議決定がされました。
(中略)感染症の影響により一定程度収入が下がった方々等に対して、国民健康保険、国民年金等の保険料の免除等を行う。(中略)
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策(2020年4月7日閣議決定)
・収入が下がった方に対する国民年金保険料の免除(厚生労働省)(以下略)
今後の動きに注目したいと思います。
少し動きがあったようです。東京新聞WEBの記事によれば、新型コロナの特例で、直近2月から6月(暫定)の収入を年額に換算して基準に当てはまれば国民年金保険料を減免する、との措置をとるそうです。
また、毎日新聞の記事では
特例として、直近の収入が激減している人を対象に加え(中略)5月から申請を受け付ける(中略)休業などで影響が出始めた2月以降の収入を年額に換算し、基準に該当すれば全額や一部を免除する。期間は6月分まで。
国民年金保険料、収入大幅減なら免除・猶予対象に 自己申告で可否判断(2020/4/29 毎日新聞)
とあります。
ただ、1次情報はまだ確認できていませんし、これだけでは詳細が全く不明なため、引き続き注視します。
国民健康保険は、もともと所得が大幅減の人に対する減免制度があります。
次のような事情により,保険料の納付が困難になった場合には,保険料が減額される場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響により保険料(国民健康保険料,後期高齢者医療保険料,介護保険料,国民年金保険料)の納付が困難な方へ(京都市情報館)
(対象)退職や廃業,営業不振等により年間の所得見込額が前年の所得額に比べて大幅に減少すると見込まれ,保険料の納付が困難なとき(※所得減少の割合や前年中の所得金額により,保険料の減額ができないことがあります。)
ただ、条件によっては適用されなかったり、全額免除はできなかったりと、これも国民年金と同じくあくまで平時の対応に過ぎません。
そこで、国民健康保険(国保)も、上記閣議決定の中で、保険料の免除等を検討することとなっています(正確には、免除を行った市町村等に対する財政支援)。
自治体それぞれで対応が分かれるかもしれませんが、先日ネットを検索していたら、こちらの関連文書を見つけました。
自治体に対し、こういう減免をしたら、財政支援しますよ、というものです。新型コロナの緊急対策として、恐らくこの方向で決まっていくものと思われます。
事業収入等のいずれかの減少額(保険金、損害賠償等により補填
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について(2020年4月8日)より抜粋
されるべき金額を控除した額)が前年の当該事業収入等の額の10分
の3以上であること。(その他要件あり)
【減免額の算定】
【表1】で算出した対象保険料(税)額に、【表2】の前年の合計所得金額の区分に応じた減免割合を乗じて得た額((A×B/C)×(d))
上で出てくる【表1】【表2】は以下の通り。
うーん、日本語が難しくよくわからない部分があるのですが、収入が減った事業の割合(B/C)に、さらに前年の合計所得から表2で設定された免除割合を掛けたものが全体の免除割合、というイメージですかね。
例えば、新型コロナで収入が減ったという前年所得が、所得全体の80%を占めるとして、かつ前年の合計所得金額が550万円以下だとすると、免除割合10分の6=60%ですから、80%x60%=48%免除しますよ、という意味でしょうか。
これは例えば事業が複数あって、不動産業の収入は減ってないけど飲食業の収入はコロナで激減した場合、飲食業での前年の全体所得に対する割合が80%のとき、上のように計算するのだと思われます。
一つの事業に専念しているなら、単純に表2の割合を適用するのだと思われます。
詳細は各自治体が発表するものと思いますが、事業の割合というのがすごく分かりにくい概念で、どこからどこまでをひとくくりの事業とみなすのかも不明です。このままでは国民や現場は混乱するかもしれません。こちらも今後、分かりやすい説明と、緊急事態に効果がある使いやすい措置を期待したいと思います。
執筆時点で国民年金は動きがなく、国民健康保険も事務連絡があったという状況で、まだまだ具体的な策は見えてきません。
ただ、緊急経済対策の閣議決定はされてますから、いずれも何らかの動きはあるものと思われます。
まだまだ不確定要素が多いので、今後も新しい情報が分かり次第、更新していこうと思います。
FIREブームの原典「お金か人生か」が暴く「現代の病」とは
外貨建て保険に逆風?金融庁が新たな共通KPIを導入。その中身とは!?
【セキュリティ対策】恐怖!アカウントが勝手に作成された!?対処法と心構えについてシェアします
LIFE SHIFT2 から学ぶ、先の見えない時代のFPの役割とは
知識を積み上げる!年末年始に読み込みたい、お勧め厳選3冊!
「配当節税二重取り」の穴が防がれる?令和4年税制改正大綱で判明。さらなる対策とは?
FPも顧客をお金もちにする?「行動経済学入門」カンタンレビュー
70年代に逆戻り?日本はもう先進国とは言いにくい。個人はどう対策すべき?
【勉強家必見】点から面への読書に進化する方法!「鈍器本」独学大全の魅力と、技法のご紹介
【初心者向け】FPにとってのネットメディアの役割を図解で説明
コメントフォーム