こんにちは。行列FPの林です。
5月1日からいよいよ「令和」が始まりましたね。
新しい時代を迎えて気分を一新されたFPも多いのではないでしょうか?
この抜群のタイミングに乗じて(笑)、これからの FP がどうあるべきかということについて個人的な分析と見解を書いてみることにしました。
目次
上皇陛下(平成の天皇陛下)のお言葉。
「象徴としての私を受け入れ 支えてくれた国民に 心から感謝します」#天皇陛下 はきょう退位の儀式に臨み、最後のおことばを述べられました。
日付が変わると同時に皇位を退き、上皇となられます。
#nhk #NW9 #ニュースウオッチ9 pic.twitter.com/coBbK7ezqo— ニュースウオッチ9 (@nhk_nw9) 2019年4月30日
天皇陛下のお言葉。
【動画】即位後朝見の儀 天皇陛下初めてのおことばhttps://t.co/WbYKu0eBvC#nhk_news #nhk_video pic.twitter.com/3t6GDpytlR
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年5月1日
ライブで拝見しましたがとても厳かな感じで、見入ってしまいました。特に皇后陛下(雅子さま)の笑顔は群を抜いていましたね。
雅子さまは元々外務省で将来を嘱望されたようなお方ですから、令和の時代に女性が活躍する象徴としてきっと新しい時代を切り開かれていくことだろうと想像します。
こちらの動画でも解説しましたので、参考にしてください。
さてこのような新しい令和の時代にふさわしい FP像とはどういうものでしょうか。
平成の時代にうまくいったからといって、令和時代にそのままうまくいくとは限りません。
むしろ考え方を改めなければあっという間に取り残されてしまう…そういう時代になったと言えます。
令和時代は平成時代以上に変化の振れ幅が大きく、変化スピードの早い時代になっていく可能性が高いです。したがって、今までうまくいった一つの稼ぎ方やビジネスモデルにしがみつくといった考え方は危険極まりありません。
公衆通信規格が4Gから5Gになれば通信速度も通信遅延も飛躍的に改善すると言われています。様々な ITビジネスが生まれていくことが容易に予想されますし、そうなれば変化のスピードも今まで以上に高まっていくでしょう。
またネット上の情報伝播スピードが高まれば、顧客にメリットのないビジネスや自分の利益を優先するビジネスというのはあっという間に見抜かれ、批判のもとに晒されます。もしあなたがそうしたビジネスをしているなら、あなたのお客さんがあなたを直接批判しなくとも、そうしたネット上の声や社会の流れを感じ取った瞬間に何も言わずにあなたの元から離れていきます。
平成も終わりの頃には金融庁が保険商品のコミッションを批判したのは記憶に新しいですしまた保険業法も改正されて、より顧客本位の営業が求められるようになりました。この流れは止まるどころか令和時代にますます加速していくことが予想されます。
FPの収入源も今後多様化していきますが、中でもコミッションに関しては社会的な監視圧力が強まっていくことが予想されます。
今までうまくいったからといってその考え方やビジネスモデルにしがみついていては、令和の時代に生き残ることは難しいでしょう。
もちろん僕自身も古い価値観に拘っている部分がないか、常に批判の目を持って点検していく必要があると考えています。
今回の「令和」時代でも、皇室典範を改正してまで行ったことでした。伝統を重んじる傾向のある皇室ですら、新しいことにチャレンジしているわけです。
FPがそうでなくて一体どうするんですか?
これはコミッションがダメとかフィーがいいとかそういった単純な話ではありません。
僕はコミッション自体は否定していません。むしろ、何を売るにしても保守サービス等は必要ですしそのサービスに対する対価として(率はともかく)、コミッションをもらうという考え方自体はある意味理にかなっています。
では一体何が問題かと言うと、コミッションのもらいかたに問題があると思っています。
例えば同じコミッションをもらうにしても、お客さんにコミッション料金体系を明瞭に開示し、自らに利益相反の可能性があることを伝えた上でコミッションをもらうなら、それは自分の利益のみを優先していることにはならないでしょう。
コミッションがお客さんにとっても本当に必要なサービスを提供するための対価で、かつ納得のいく金額であれば、むしろそれを開示しないことの方に矛盾が生じてしまいます。
なぜ開示しないかというと、FPの利益を優先しようとする意思があるからですよね?
矛盾のあるビジネスは長続きしませんからこれは令和時代のビジネスとして、お勧めできるものではありません。
金融商品のコミッションを得るならその内容を顧客にわかりやすい形で開示していく必要があります。 またコミッション体系を開示したとしても顧客の信頼が得られるようなしっかりとした信頼関係を築ける FP が生き残ることになるでしょう。
では逆にどういったFPが今後生き残りさらに飛躍していくことができるのでしょうか。
個人的にはまずライフプランニングの重要性が高まっていくと考えています。これは人生100年時代に、一つの人生モデルでは対応しきれなくなったということが挙げられます。加えて言うなら今後女性の社会進出というのは日本でも加速していきます。
例えば国際的な男女平等指標の比較において日本は先進国の中でダントツの最下位になっています。
(The Global Gender Gap Report 2018,p8より)
表は非常に縦長なので日本よりも下にいくつかの国がありますが、上では省略しています。それを無視したとしても、日本のポジションは、日本人が一般的に後進国だと思っている中国やインドよりもさらに「下」なのです。
国際指標の比較の詳細やその是非についてここでは議論しませんが、多少の誤差はあれ日本が男女格差問題において相当後進国であることは間違いありません。しかし令和時代においてこの格差を放置しておくわけにもいかない事情があるんです。
15歳から64歳までの労働可能な人口は2015年に77百万人ですが、約20年後の2040年には60百万人、さらに2060年には48百万人と減少の一途をたどります。
(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」平成29年推計より)
このように労働人口が減少していくという背に腹を変えられない理由があるため、今後女性はどんどん社会進出していきます(好むと好まざるとにかかわらず)。先進国で最下位にある男女格差ということは、逆にいえば日本にとって男女格差は改善の余地が非常に大きい部分でもあるということです。
そして女性の社会進出に伴って女性の発信力も高まり、それと同時に女性の価値観も多様化していくのはすでに「規定路線」なのです。
未婚化や晩婚化などいくつかは社会現象として現れていますが、令和時代にそれがさらに加速していくことは間違いありません。それがいいか悪いかは別にして生き方が多様化するということは一つのモデルプランでは対応しきれないということを示しているわけです。
個々人が自分らしい生き方を全うしていくためには常にお金の問題がつきまといます。それを解決するためのライフプランニングの重要性が今後ますます高まっていくことになります。
きちんとしたライフプランニングサービスができる FP が生き残っていくことになるでしょうし、当然そこにビジネスチャンスがあります。
新天皇陛下も、過去にこちらの発言をされています。
平成は,人々の生活様式や価値観が多様化した時代とも言えると思います。それは,ITその他の科学技術の飛躍的発展によって,更に推し進められた部分もあると思います。今後は,この多様性を,各々が寛容の精神をもって受け入れ,お互いを高め合い,更に発展させていくことが大切になっていくものと思います。
日本は島国ということもあり、日本人は多様性に不慣れです。FPが率先して、多様性に関して、今一度、真剣に考える必要があります。
上で変化が早い時代と書きましたが、その変化に柔軟に対応していくことが今後の FP に求められる必須のスキルです。この変化に対応するスキルというのは単に FP だけに求められるスキルではありませんが FP なら特に求められるスキルになります。
FP はお金の専門家 ですから、様々な社会精度の変化に敏感である必要がありますし、変化していく時代をどう上手に生き抜いていくかのアドバイザーである必要もあります。
そのような立場にある FP が「伝統を重んじる」などといった曖昧な理由で変化を無視し続けるわけにはいきません。 そんな FP には誰もついていきませんし、仮について行ったとしても、上記の理由により早い段階で行き詰まることは目に見えています。
ほんの数年稼げばいいという考えならまだしも10年20年と長期的に活動したい FP を目指すなら大局観を持って時代の変化の流れに柔軟に対応していく必要があります。
例えば世界の流れをみてもコミッションの扱いはどんどん変化していますよね。金融先進国である英国ではアドバイザーがコミッションを取ることを原則禁止しました。 顧客の立場に立つべきアドバイザーが利益相反となるコミッションを受け取ることは合理的でないという考えですね。
日本はまだそこまで金融先進国ではありませんが、情報通信や資本がグローバル化していけば、国内のビジネスも当然グローバル化を求められることになります。
令和では、いつコミッションが得られなくなっても大丈夫なぐらいな準備はしておく必要があるでしょう。
そして最後に最も重要なことを伝えておきます。
それは FP にとって最も重要かつ最も大きな価値は「顧客に寄り添う」というスキルと考え方です。
コミッションひとつとってもそれをいただくかいただかないかに関しては僕自身は特に賛否はありません。 保険の保全にコストがかかるならそのコストを誰が負担するかという議論は必須ですしお客さんのためになるならお客さんから対価を頂くという考え方も自然でしょう。
ですがその対価をいただくのに例えば保険料に対する一定の割合が本当に合理的なのかどうかという議論はありますし、そもそもそれがお客さんのためであるということを正々堂々と主張できるかどうかということもポイントになってきます。
お客さんは馬鹿ではないので、そうした説明責任を果たせる FP なのかそうでない FP なのかというのを厳しい目で見ていますし、今後さらに厳しくなっていくことは容易に想定されます。
お客の気持ちに寄り添うことができるなら、対価を頂く場合でも本気でお客さんのためになると正々堂々と伝えることができるでしょう。
そうしたビジネスは顧客に受け入れられ、新しいお客さんも増え、ビジネスも繁盛していきます。
もちろんあなた自身のビジネスを破綻させるわけにはいかないのでお金はもらう必要があるんですが、それはあくまでもお客さんに価値を継続して提供するため、さらにはもっと大きな価値を提供したいという熱い想いのもとに行動しているなら、社会の中でのあなたのポジションが確立されていくことになります。
これは令和の時代だからというわけではなく、昭和、平成時代から引き継がれるビジネスの原理原則なのです。
5月1日から新しい令和の時代が始まりました。
気持ちを新たにするということは非常に大事なことで、この機会にぜひあなた自身のビジネスやお客さんのことを今一度考え直してみるということに大きな価値があります。
上で書いたことはあくまでも僕一人の考え方や価値観に過ぎませんが、僕自身がきちんと対価を頂く FP として活動している経験から述べた話も多く、参考になる部分もあるのではないでしょうか。
僕は色々な価値観を持つ FP が、個性を持って社会の中で活動して行くことを望んでいます。
どんな活動であれ個人の自由ではありますが、願わくば、令和の時代に、「三方よし」の原則で大いに発展する FP が増えていけばいいなと思っています。
そうした「令和の発展型」FPが増えるよう、僕も精一杯活動、支援していきます!
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