こんにちは。行列FPの林です。
FP はとにかく忙しい職業で、コンサルティングの傍、本を読むインプットや、ブログの記事を書くアウトプットも重要ですよね。
コンサルティングの時間や質を落とすわけにはいきませんので、その他の作業であるインプットやアウトプットの時間を効率化したいと考える FP も多いのではないでしょうか。
このインプットとアウトプットを効率化する方法について少し考えてみましょう。
結論としては「音声」を上手に使おうということです。この記事でお伝えしたいことは
です。アウトプットに関しては Google ドキュメントの音声入力を使って記事を作成するということさえできれば OK ですので、この記事では主に音声を使ったインプットの効率化についてみていきます。
目次
記事冒頭の結論でなんとなくやることは見えてきたかと思うんですが、その前に必ず押さえておいてほしいことがあります。それは「そもそも効率化とはどういうことなのか」ということです。ここをきちんと押さえておかなければ、効率化というものが間違った方向、時には危険な方向に進んでしまうことがあるので非常に大切なポイントなのです。
効率化という言葉自体は日常生活でよく見る単語なので単語自体は知っているという方がほとんどだと思います。特に FP のような勉強家の方であればなおさらそうでしょう。
ですがこの効率化という言葉の意味を取り違えてる人が案外多いのです。例えば効率化とはこんなことだと思っていませんか?
はい。いかにも「効率化」の定義っぽいですよね。でもこれ実は効率化について半分しか表現できていません。いやむしろ、場合によっては非効率な場合すらあるんです。
効率化に対する多くの人の勘違いは「単位時間あたりの仕事の量と質(だけ)」と捉えている点にあります。
では一体何が間違いなのか?と思われるかもしれませんね。
実は上記の「単位時間あたりの仕事の量と質」という定義を使ってしまうと、業務改善など全くせずに、単にアクセルをふかせばそれでいいという議論に容易にすり替わってしまうのです。ここは非常に重要なポイントなので必ず覚えておいてください。
あなたもこんな経験がありませんか?
例えば上司からもっと業務を効率化しなさい、と言われたけれどもそれ以外の指示や援助は全く無く、単に1日の仕事量が増えただけ、とか。
そうすると何が起きるかというと、ほとんどの場合「単に忙しくなるだけ」です。忙しく働けば以前よりもたくさんの仕事をこなすことができますので一見上記の定義で見れば効率化されているようにも見えます。しかしながら忙しくなる分、エネルギーを浪費し疲弊しますので日々の効率は逆に悪くなっていく危険性すらあるんですよ。
次はどうなるかというと、こなしきれなかった仕事がどんどん溜まっていくのでサービス残業をせざるを得なくなっていきます。これが「偽の効率化」による悪循環です。
効率が悪くなるだけならまだマシで、これを押し進めてしまうと、とにかく人間をコキ使えばいいという危険思想にも発展していきます。その結果何が起きるかというと従業員がうつ病に陥ったり、あるいは行き場を失った従業員が自殺したりといった悲劇が起きるわけです。これがいわゆる「過労死」というもので、現在非常に問題視されているのはご存知の通り。
誤った効率化を放置することが、いかに危険なことかが、これでおわかりいただけたと思います。
では本当の意味での業務効率化とは一体なんでしょうか。
それは、わかりやすく言えば
「さぼっても仕事が片付く」
ということです。
もう少し正確に言うと「効率化後は効率化前よりサボっても同じだけの量と質の仕事が片付く」ということです。
このように、本当の効率化にはサボったりもっと楽になったりということが含まれていないとダメなわけですが、日本人の労働観と言うかメンタリティーにおいて、サボったり楽をするということ自体、気に食わない人が多いのかもしれません。
そのため効率化=悪だと捉えたり、もしくは冒頭で述べたような間違った効率化を(知ってか知らずかは別にして)採用してしまうことがあるようです。
ですので、まずこの誤った認識と行動を正しいものに修正していくことが大事です。
ちなみにこの考えは僕のオリジナルでもなんでもなく、日本のトップ企業であるトヨタが何十年も前から実践していることです。
トヨタは無理、無駄、ムラ、の三つを撲滅する活動を常に推進していますが、要するに同じ量、同じ質の仕事であればよりラクに、サボってもできるようにするということに他なりません。
トヨタの効率化はもっと深いところまで切り込んでいきますが、この記事の主題ではないので省略します。よかったらこちらの記事も参考にしてください。
(5年前の記事なので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが…)
トヨタの業績を見てみれば、仕事を楽にしたりサボってもいいようにすることが、どれだけ収益に繋がるかは僕がここで説明するまでもないことですよね。
ここまでで本当の意味での効率化を理解できたので、インプットを効率化する方法について考えてみましょう。
今回は僕が最近実践しているオーディオブックを使ったインプットのススメです。
あなた自身、オーディオブックを実践していなくてもオーディオブックという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。その名の通り音声で本を読み上げる「朗読」というサービスや商品になります。
これまで僕はオーディオブックの存在は知っていてもなんとなく手を出してなかったというか、文字が書かれた紙の方がやっぱり印象が強くてインプットしやすいのではと思っていました。しかし実際にオーディオブックを試してみると、これがなかなか、結構いいわけです。
なんせオーディオブックであれば「耳」さえあればいつどんな状況でも本をインプットできますから。たとえあなたがトイレにいようと、お風呂に入っていようと、料理を作っている最中でも、とにかく耳さえ空いていればインプットが可能になります。
確かにビジュアルブック(ここではオーディオブックの対比として通常の本をビジュアルブックと呼びます)の方が、図表や写真がある分、理解が促進されるという面はあります。しかし多くの本において、そのメインコンテンツはテキストです。であればテキストを音声で聞き、内容を理解することも十分可能なのです。
ということを頭では分かっていたのですが、実際にやってみて本当の意味で理解することができました。(笑)
やっぱり頭で理解することと経験することというのはずいぶん違いますね。
ではまずオーディオブックの基本についてみていきましょう。
オーディオブックのメリットをまとめると
逆にオーディオブックのデメリットは
たくさんデメリットを挙げましたが、メリットとデメリットをトータルで考えれば、効率化のメリットがデメリットを大幅に上回ると個人的に感じています。
また、ラクに読書メモを残すために、僕なりに工夫した方法を後ほどお伝えしますので、オーディオブックのデメリットを少しは緩和できるはずです。
現在、オーディオブックを販売しているサイトは主に以下の二つがあるようです。
どちらか好きな方あるいは両方からご自身の読みたい本を探して購入すれば OK です。僕が個人的に使った感覚としてはaudiobook.jp の方が品揃えが良い印象です(2019年5月現在)。
一方ネットでは Audible の方が洋書のオーディオブックがあって選択肢の幅が広がる、と言っている人もいました。
僕は現在 audiobook.jp の月額会員で、割引価格でオーディオブックを購入していますが、この辺りはあなたがどのように使いたいかで選択すればいいと思います。
もう一つの選択肢として Kindle があります。キンドルをスマホやタブレットに読み上げさせることで実質的にオーディオブックにするという方法です。
こちらのサイトにわかりやすい解説記事がありました。
↓
【めちゃ便利】Kindleの読み上げを使ってオーディオブック化する方法
まつさん、わかりやすい記事をどうもありがとうございます!
そういう意味では Kindle はオーディオブックとビジュアルブックの両方の面を持ち合わせているといえそうです。
販売されているオーディオブックにせよ、Kindle の読み上げにせよ、効率化という観点ではどちらも同じなので以下まとめてオーディオブックと表記して同様に扱うことにします。
例えば上記の audiobook. jp であれば専用のアプリから音声を再生させることが可能です。
ですがそれだと少々不満があって、再生速度を細かく設定することができないんです。そこでダウンロードした音声ファイルを別アプリで再生することをお勧めします。
音声ファイル再生アプリは色々ありますが僕が使っているのは「Audipo」というアプリです。
このアプリは0.25倍速から4倍速まで0.01倍速刻みで細かく再生速度を設定することができます。
おすすめの再生速度は1.25倍速から1.5倍速程度。
再生速度を上げることは効率化の本質ではないですが、再生速度が遅いと逆にストレスを感じることもありますので、ストレスを感じないレベルで再生速度をあげれば、無理なくインプットの時間を短縮することができます。
細かい再生速度の設定はオーディオブックデフォルトのアプリではできませんので、再生アプリを上手に活用するようにしましょう。
では僕が実践している(ないしは僕が考える)オーディオブックの活用法についてお伝えしていきましょう。
これは誰でも思いつくことですが、通勤・通学時間を活用し、オーディオブックでインプットするというアイデアです。
僕は今、ほとんどの時間、家で仕事をしていますので日常的な通勤通学時間はありません。
なので実際にやってみたらどんな感じになるのかということを僕の体験で語ることができないのですが、おそらくは非常に良い方法になるのではないかと思います。
というのも通勤・通学というのは毎日同じ行動の繰り返し、いわばルーティンワークです。ですのでその間基本的に頭と耳は暇をしていますから、オーディオブックでのインプットは非常に合理的な考え方ですよね。
さてこれが上記の本当の意味での効率化に相当するかどうかですが、通勤通学時間以外の時間を別途改めて確保し、本を手にとって読むという方法と比較すれば、非常に「楽」なのではないでしょうか。
また通勤通学時間にビジュアルブックを読むという方法もありえますが、歩行中に目を使うのは大変危険です。ですから例えば電車の中で座っている、あるいは手すりにつかまって立っている間しかビジュアルブックは読めません。
それに対してオーディオブックであれば、歩いている間でも聞くことができます。この違いは非常に大きいでしょう。また労力に関してもオーディオブックなら耳さえ働かせれば良いので目と手を必要とするビジュアルブックに比べて楽に読みこなすことができます。
ということでオーディオブックの方が楽で効率的と言えます。
楽をして本が読めるならそれに越したことはありませんからね。
僕自身、通勤・通学の時間はないのですが、毎日お風呂に入る時間というのはあります。
今までお風呂に入っている間は「無音」であり、音楽を聴いたりオーディオブックでインプットするという習慣はありませんでした。そこで新しい試みとして入浴の間にオーディオブックでインプットしてみることに。
風呂場の中でタブレットやスマホを操作しないといけないため、当然防水機能が必要になります。が、結論から言えば、そこさえクリアしてしまえば全く問題ありません。
僕は防水機能付きタブレットを持っているのでそのタブレットをお風呂場に持ち込んであらかじめダウンロードしたオーディオブックを再生します。ダウンロードは風呂場でもできますが、 wi-fi が繋がらない場合に裸では(笑)対処ができませんのであらかじめダウンロードしておくのがベターです。
お風呂というのは体と心をリラックスするのがメインなので、あまり難しいオーディオブック(例えば洋書のオーディオブック)や怖い内容のものを聴くのはお勧めできませんが、ビジネスパーソンが通常インプットするような本であれば特に問題ない、というのがやってみての結論でした。
ちなみに防水機能のないスマホやタブレットの場合は、ジップロックなどにスマホやタブレットを入れてしっかり密封し、袋の上から操作するという方法があるようです。
かくいう僕自身はやったことないですが、袋自体が完全防水であるかとか、漏れがないかどうかなどを十分確認して自己責任でやってみてくださいね。
風呂場の時間を有効活用できれば、本をインプットする量と速度が格段に向上します。
例えば僕は1日20分から30分入浴しますが、その時間で読めるオーディオブックは一冊のうちの1/20程度です(一冊約10時間として)。
となると、ある意味今まで無駄になっていた入浴時間を使って年間で約18冊のインプットができることになります。
ということは、年間で読む本の数を増やさなければ、労力は変わらずに、18冊読むだけの時間(=約180時間)が新たに生まれることになります。 仕事の量と質を増やさないとすればそれだけの時間、遊んだりサボってもいいわけです。
180時間とは1日8時間労働とすれば、労働日数換算で22.5日分ですから、これはすさまじい効率化ですよね!
もちろん実際には、新たに生まれた時間でサボったり遊ぶだけではなく、新たな仕事にチャレンジしたり、より多くの本をインプットしたりする時間にも充てればいいでしょう。
これで楽をしながらより多く、より高い質の仕事をこなせるようになる、というわけです。
僕は読書をしてもなかなか全部を覚えるだけの記憶力がなく、後で要点を見返せるように読書メモを作るよう心がけています。
でもせっかく耳だけでラクにインプットしているのに、わざわざ読書メモを作るためだけに、「目」と「手」を駆使するのではなんだか本末転倒です…。
そこで Google ドキュメントを活用します。
Google ドキュメントというのはご存知でしょうか?
Google のクラウドサービスである Google ドライブのアカウントさえあれば、誰でも無料で使えるオンラインのドキュメントサービスです。
要はオンラインの Microsoft Word のようなものなのですが、この Google ドキュメントに付属している音声入力ツールが非常に良くできているのです。とにかく認識の精度が半端ない。
Google ドキュメントの音声入力はツールメニューの音声入力もしくはショートカットキーで起動できます。
ちなみにこの記事も音声入力ツールを使って Google ドキュメント上で作成していますが、Google ドキュメントの音声認識精度が高いのでほとんど修正する必要がありません。
音声入力のメリットをまとめると
もちろんデメリットもいくつかあって、古典的な職場では使いにくいということでしょうか。
実はこの Google ドキュメントとオーディオブックを組み合わせると、ナント即席自動書き起こしシステムが完成してしまうのです!
方法はいたって簡単。
僕は音声入力時にいつもコンサル時に使っているヘッドセットを利用しますが、このヘッドセットのマイクとスマホやタブレットのスピーカーをこんな感じでくっつけるだけ。
あとは Google ドキュメントの音声認識ツールをオンにしてスマホやタブレットからオーディオブックを再生すれば OK。
そうすると、面白いように音声がモリモリとテキスト化されていくんです!(笑)
こんな感じのテキストが出来上がります。
Google ドキュメントでの音声入力のコツは PC 版の Google ドキュメントを使うことです。
スマホやタブレットの音声入力でも可能ですが、PC 版よりも認識精度が劣る印象があります。さらにスマホやタブレットでは音声入力の時間制限があるようですが PC 版では特にそれがなく、5分でも10分でも連続して音声をどんどんテキスト化してくれます。
まあもちろん、本には章や段落があって単純に音声認識しにくい部分があるので、そのまま書籍として売れるようなクオリティになるかというとさすがにそれはできません。
ですが、出来上がったテキストの一部をコピペして自分なりの読書メモを作るにはこれで十分。
これで、わざわざ耳で聞いて手で入力するといった非生産的な作業を省けるので、これも大幅な効率化になりますね。
「いくら自動的にといっても、テキスト化する時間が余計にかかるじゃないですか?」
と思われるかもしれませんが、例えば僕は風呂場で一度オーディオブックを聞いて、終わってから同じ音声をもう一度再生しながら Google ドキュメントでテキスト化しています。
テキスト化している間、僕は眠っていますので(僕はお風呂に入った後、すぐ寝ます)、実質的に僕の作業時間ほぼゼロでテキストが出来上がります。
後は出来上がったテキストを朝読み返して僕なりのメモにするためにコピペ編集するだけでOKなのです。
この方法が超、楽なので、お勧めですね。
以上、オーディオブックの活用法についてお伝えしてきましたが、課題もあります。
オーディオブックの細かいデメリットをあげれば色々ありますが、今一番僕が不満を持っているのは「まだまだ選択肢が少ない」ということです。
つまりほとんどの本はビジュアルブックのみでの提供であり、オーディオブック化されている本は非常に少ないと言わざるを得ません。実際「この本をオーディオブックで読みたい」と思っても、 オーディオブック自体が提供されていないという場合がほとんどなのです。
Kindle で提供されていれば、まだ助かります。実際に Kindle の読み上げを聞いてみましたが、不自然な変換や「間」の取り方に違和感はあるものの、使えないレベルではありません。
とはいえ、すべての本が Kindle 化されているわけではなく、紙だけで提供されている本も少なくありません。
正直、「耳」だけのインプットに慣れると「手」と「目」を使わないといけないビジュアルブックでのインプットは非常に高コストに感じてしまうのです…。有り体に言えば時間もかかるし、疲れます。
現状では
また資料や写真をふんだんに使って説明しないといけないような本はさすがにオーディオブックに向きません。
そのような本では、たとえオーディオブックが提供されていたとしてもビジュアルブックも併用しないとさすがに実用的ではないでしょう。この場合、Kindle の読み上げがベストの選択肢
と言えます。
音声を用いたインプット(とアウトプット)の効率化について、 僕が試したことをお伝えしました。
キーワードは「オーディオブック」と 「Google ドキュメント」です。
FP に限らないかもしれませんが、特にコンサルティングを行う FP は限られた時間を有効活用し、作業を効率化していくことがとても重要になっていきます。
FP 業務のクオリティを考えれば、インプットやアウトプットの量と質を落とすわけにもいきません。
偉そうなことを書きましたが、僕もオーディオブックは最近始めたばかり。善は急げ、今から始めればそれでOKなのです。
今回はインプットの効率化でしたが、どんな事でも正しい方法、効率的な方法を知らないとなかなか成果が出ません。
成果を出すための作業と努力はもちろんですが、「知る」ことも同じかそれ以上に重要だということは忘れないでくださいね。
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