CFPが独立、集客するための戦略とは

こんにちは。行列のできるFP事務所プロデューサーの林です。

FPと一口にいっても、さまざまな資格があります。

今回は、その中でもFPの民間資格の最上位であるCFP®資格を持っている人向けに、CFP資格で独立・集客していくためのポイントについてCFP認定者の林がお話します。

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目次

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CFPは国際的に認められた資格

FP資格にもFP技能士、AFP、CFPなどさまざまな種類があります。

FP技能士は、国家資格であり、難易度は1~3級に分かれており、日本FP協会と金融財政事情研究会の2団体が実施しています。FP1級は、学科試験と実技試験それぞれに受験資格があります。

AFP・CFPは民間資格であり、難易度としては、AFPは2級FP技能士、CFPは1級FP技能士と同等水準です。日本FP協会が実施しています。FP技能士とは異なり、資格には有効期限があり、2年ごとの資格更新に一定の継続教育が義務付けられています。その点、知識のブラッシュアップが定期的にされるため、FP技能士よりも最新の知識を持っている資格といえるかもしれません。

以下、FP技能士とAFP・CFP認定者の受験資格・要件の違いについてまとめてみました。CFP認定者にとってはおさらいになりますが、資格の価値を再認識してもらえればと思います。

FP協会HPより著者作成

この中でもCFPとはどのような資格なのでしょうか。

CFP資格取得されている方は、すでにご存じだと思いますが、改めておさらいしてみましょう。

CFPは、1972年に創設されたアメリカのFP資格です。現在、CFP資格は、世界24か国・地域で導入されています。世界で信頼されるプロフェッショナルFPの証であるとされています。

CFP資格は、認定要件の「4E」と実務指針の「6ステップ」をコンセプトに、世界で認められた共通水準のファイナンシャル・プランニング・サービスを提供できる証明となっています。

「4E」は、CFPとして認定されるための要件です。

FP教育カリキュラムの修了、実務遂行に必要なレベルに達していることの証明である試験合格、CFPエントリー研修・経験3年以上・2年ごとの資格更新、「会員倫理規程」の順守について約定書に署名など、さまざまな要件を満たして初めてCFPとして認定されます。

「6ステップ」は、顧客に最適なアドバイスを行うために踏む必要があるプロセス・実務指針のことです。相談業務を行うには、この6ステップに沿って進めていく必要があります。

「6ステップ」は、顧客に最適なアドバイスを行うために踏む必要があるプロセス・実務指針のことです。相談業務を行うには、この6ステップに沿って進めていく必要があります。

4つのE(認定要件) 6ステップ(実務指針)
Education(教育) 1 顧客との関係確立
Examination(試験) 2 顧客のデータ収集・目標の明確化
Experience(経験) 3 顧客情報の分析と評価
Ethics(倫理) 4 ファイナンシャルプランの作成と提示
  5 ファイナンシャルプランの実行援助
  6 ファイナンシャルプランの見直し

日本FP協会HPより著者作成

上位資格のCFPだから集客できるというわけではない!

このように、CFPの資格は、世界的な共通水準を満たした信頼性の高い資格です。

一定の知識があることのみでなく、一定の実務経験や研修を受講したことも証明されています。

しかし、この資格を取得しただけで独立して成功できるかどうかは、また別問題です。

現代では弁護士や税理士など難関の国家資格を持っている人でさえ、集客に困っています。イソ弁、ノキ弁などという言葉はご存知かもしれませんが、一部のボス的士業が依頼を獲得し、その他は集客できても低単価ばかり…という状況です。

CFP認定者も同じことで、FPとして一定の能力・素質があることは保証されていますが、独立系FPとして食べていけるかは、個人の能力・集客力によって変わります。

そこで、CFP認定者として独立集客したいならCFPの専門性を活かした「専門特化型相談」業務がおすすめです。

金融商品、住宅ローン、保険、年金などあらゆる分野に対応するFPよりも、「生命保険専門」や「住宅購入相談専門」、「年金専門」など自分の強みを活かして、特定の分野で実績を上げていく方が、他のFPとも差別化しやすく、専門性をアピールできて、信頼性を得やすい傾向にあります。

また、CFPは取得に様々な要件がある分、得られるメリットも多々あります。例えば、FPとしての信頼性が上がったり、FP業務を行う自信に繋がったり、CFPの資格を持っているおかげでオファーが来たりすることもあります。そのほかにも、CFPの資格を持っている人ならではの特権があります。

この記事では、CFPの2つの特権を紹介します。

1つ目は、CFP検索システムを活用できること。2つ目は、「くらしとお金のFP相談室」の相談員になれること。これらを活用することによって、集客力アップや実績を積んで知名度を上げることができます。

また、丁寧な仕事をしてCFPの高い専門性を理解してもらえれば、顧問契約を結ぶことができます。顧問契約は、継続的にFPとしてのサービスを提供する契約になります。

例えば、ライフプランに沿って「いつまでにいくら準備する」といった目標達成のためのアドバイスや、事情・環境が変化した場合の財政的な問題解決のためのサービスを定期的に提供していきます。

お客様にとっても、自分の財政状況をよく把握しているFPに相談することができ、安心感があります。FPにとっても、お客様の真の悩み解消につながるほか、安定的な収入を見込めるため、双方大変メリットのある契約になります。

日本FP協会「平成23年ファイナンシャル・プランナー業務調査」では、顧問契約料の中央値は月額1万円となっています。また、顧問契約の主な業務内容は、金融資産運用設計業務が最も多いようです。以下のグラフは、顧問契約を締結しているFPの割合です。

日本FP協会「平成23年ファイナンシャル・プランナー業務調査」のデータより著者作成

金融資産運用設計業務とは、ライフプランをもとに、目的に合わせた金融資産の蓄え方や運用方法について、適切にアドバイス・提案する業務です。この業務は、金融・経済についての専門的な知識や日々変化する市場の動きを見る目が必要です。

この業務の顧問契約締結率が高い理由としては、債券、株式、投資信託などのファンドは、刻一刻と変動があるため、顧問契約を締結して、継続的にFPのアドバイスを受けることができるのは、お客様にとって大きなメリットとなるためです。

また、ライフプランニングについても、一度きりの相談であれば、今後目標達成するかどうかは、お客様の努力次第にもなってしまいます。一方、顧問契約を締結し、FPからの定期的な見直しとアドバイスを受けることができれば、目標達成の近道になることでしょう。

保障・補償設計については、保険の見直しは数か月ではなく、数年単位であるため、継続的というより、断続的にアドバイスが必要なものになってきます。部分部分でのFPによるアドバイスが必要とされているため、顧問契約を締結しているFPの割合は、比較的低めとなっています。

それでは、CFPの2つの特権について紹介していこうと思います。

ぜひ顧問契約も一つの目標として念頭に置いて、活動してみてください。

CFPの特権!CFP認定者検索システムをフル活用

CFPとして認定されると、CFP認定者検索システムに登録することができるようになります。

CFP認定者検索システム

CFP認定者検索システムとは、CFP認定者へFP相談や講演、執筆等の業務依頼をしたい人が、CFP認定者を検索できるシステムです。

検索結果には、CFP認定者自身が登録申請した内容が掲載されます。具体的には、1時間当たりの相談料金や講演料金、FP関連の業務経験(相談経験、講師・講演経験、執筆経験)、プロフィールや経歴、対応可能分野、営業範囲(都道府県)などを掲載することができます。

現状のCFP認定者検索は女性に大変有利なようです。CFPの検索システムから、有料相談に繋がっているのは、現時点で女性が多いと聞いているからです。

FPの男女比率を見ると、男性の割合の方が高いですが、家計管理の悩みを抱えているのは女性が多く、同性のFPの方が相談しやすいのかもしれません。悩み事の中には、妊娠や出産といった女性が深くかかわるライフイベントも関係していることがあるため、女性のFPに相談したいが、数が少ないため、ネット検索で探しているのかもしれません。

女性FP(特にCFP認定者)が男性より相対的に少なく、目立っているのかもしれません。

どちらにしても、CFP検索システムに登録しておいて損はなさそうです。

そして、一番のメリットは、検索結果に自分のHP・ブログのURLを掲載できる点です。

CFP検索システムから自分のHPに誘導し、HPで自分のサービス内容や活動場所、理念などを読んでもらうことができます。また、相談の予約や申込みフォームを作っておけば、HPを読んで興味を持った人をそのまま相談・契約に繋げることができます。HPの作り方次第ですが、CFP検索システムに登録するだけで集客できている女性FPも存在します。

HP立ち上げは、お金があるなら業者に依頼してしまった方が、費用はかかっても時間の節約になります。起業には様々なコストがかかるので、節約したい気持ちになることもあると思いますが、費用と時間のバランスを見極め、長期的な視点を持つことが大切です。そのため、HP作成は業者に依頼することをおすすめします。

ただし注意点としては

  • FPのことをよく知っている業者であること
  • デザインは当然ながら、集客に詳しい(集客の実績がある)業者であること

が必須です。でなければ、ただの役に立たない箱が出来上がって終わりです。

また、HP以外でも、ブログやメルマガ、SNSなどで情報発信することもおすすめです(ブログは、HPのコラム更新で代用することも可能)。

定期的に情報発信することで、現在の活動状況が分かりますし、FPの考えやタイプも分かるので、親近感や信頼性を上げることができます。ブログやメルマガなどで継続して、活動状況・近況などを発信していくことが、地道ではありますが、着実に集客力を上げる方法の一つです。

HP立ち上げは業者に依頼して時間を節約し、ブログやメルマガ、SNSなどで集客していくことに力を入れましょう。

相談員制度で自信と実績を積む

CFP認定者は「くらしとお金のFP相談室」の相談員になることができます。

当然、相談員としての実績もブログ・HPに掲載できます。CFP検索から来た読者にその実績を見せれば、問い合わせの可能性を高めることができますよね。

日本FP協会では、札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・福岡の全国8か所で無料相談を体験できる「くらしとお金のFP相談室」を常設しています。対面相談も行っていますし、「FP広報センター」では、FPの普及活動も兼ねて、電話での無料相談も実施しています。

相談内容としては、ライフプランの作成、保険、住宅ローン、教育資金、金融資産運用、年金など幅広く相談を受付けています。対面相談は50分、電話相談は30分無料で実施しています。

対面相談・電話相談ともにCFP認定者が対応しています。

対面相談は、最長2年間の担当となります。

内訳としては、最初の1年間は相談員のサポートを主とする補助員として業務を行い、補助員の任期満了後、相談員に就任されたらさらに1年間務めることができます。担当頻度は年間10日程度で、毎年1回募集しています。

電話相談は、東京にある協会本部事務所で実施しており、毎年1回、東京近郊に住むCFP認定者にメールにて募集を行っています。

対面相談・電話相談ともにFPとしての実績を積むこともできますし、そこで丁寧に誠実に対応して、お客様からの信頼を得ることができれば、知名度アップや顧問契約にも繋げていくことができます。お客様にとっても、FPとはどういう相談に乗ってくれるのか、FPはお金の相談をする上で信頼できそうかなど判断できる良い機会となります。

また、CFP資格審査試験等の試験委員や、パーソナルファイナンス教育インストラクターの募集もしています。

試験委員は、年1回定期的に募集しており、CFP資格審査試験等の試験に出題する問題を作成します。試験委員になれば、専門知識の確認や学び直しができるほか、文章表現力・執筆力の向上、専門家同士のネットワークを広げることにも繋がります。

パーソナルファイナンス教育インストラクターについては、パーソナルファイナンス教育(金融経済教育)に関する知識・経験を持つAFP・CFP認定者を高等学校に派遣し、出張授業を行う仕事です。「お金を稼ぐ」「ライフプランとお金」「税金と社会保険」など進路状況や対象学年等により、様々な内容の授業を実施しています。不定期の募集です。

どちらも、応募要項、応募資格等については、協会のメルマガや日本FP協会の会員専用のMyページにてお知らせされています。

FPとしての経験値を高め、仕事の幅を広げるためにも、応募資格に当てはまるなら、ぜひ積極的に応募してみてください。

CFPが独立・集客するポイントまとめ

CFPは、民間資格の最上位資格であり、世界的にも認められている信頼性の高い資格です。しかし、それだけで集客でき、独立系FPとして食べていけるわけではありません。

ですが、上記にも挙げたような、CFP検索システムや「くらしとお金のFP相談室」など他のFP資格と比べて、優遇されている面もあります。このような環境やチャンスを活かせば、独立系FPとして着実に成長し、仕事の幅を広げていくことができます。

また、定期的なブログやメルマガ、SNSでの情報発信が集客の基本ですので、しっかりと継続していきましょう。

CFPの資格を取得できたということは、その時点でFPの素養・土台ができていることと思います。その土台を活かすために、活用できるものは最大限に活用して、独立系FPとして活躍していってください。

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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

ファイナンシャルプランナー(CFP®)、工学博士(阪大)。ライフプラン相談100世帯以上、個別の資産運用相談等を中心にFP業で収入を得ていますが、ネット集客が得意で北は北海道、南は沖縄まで日本全国に顧客を持っています。

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2018年9月、日本FP協会の機関紙「FPジャーナル」(約20万部)の特集「長期x分散x積立投資を徹底検証」に林の記事が掲載されました。(→プロフィール



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日経ヴェリタス2016年8月14日号「確定拠出年金 とことん活用術」にコメントが掲載されました。(→プロフィール



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