ファイナンシャルプランナーの仕事がない理由とその対策

こんにちは。行列のできるFP事務所プロデューサーの林です。

ファイナンシャルプランナー(FP)として開業してみたが、なかなかまとまった仕事をもらえずに苦しんでいるという人は少なくありません。

その理由の一つとして、FPは一般に浸透している職業ではなく、また、会社や個人事業主の数も少ないため、多くの人にとって、相談する対象として知られていないことが考えられます。

また、FP業務というのは複雑であり、その価値を知ってもらうのはそれほど簡単ではありません。

そこで、ファイナンシャルプランナーが仕事を増やしていくための方法について、解説していきます。

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目次

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(理由その1)FPは新しい仕事で、認知度が低い

税金についての悩みや心配があれば税理士の存在が頭に浮かびます。

しかし、暮らしのお金に対する心配事や相談事があったとしても、ファイナンシャルプランナーに相談しようという考えはなかなか浮かばないのではないでしょうか?

そもそもファイナンシャルプランナーという職業は世間に十分に認知されていません。

住宅ローンや老後の生活設計など、人生の中でもっとも大きいと言っても過言ではないライフイベントに関する悩みであれば、本来、法律相談や税金相談以上にプロの知恵を借りるべきなのに、現状そうなってはいません。

ファイナンシャルプランナーという職業は、税理士や弁護士などの職業に比べて、その名称が生まれたのは最近のことです。

例えば税理士の前身となる職業として計理士という職業がありました。その計理士の業務範囲などを定義する計理士法が制定されたのが1927年であり、およそ100年前のことです。

弁護士に関しても、弁護士法が制定されたのは1893年であり、100年以上の時間が経っています。

対してファイナンシャルプランナーは、資格が発行されたのが1986年、約30年の歴史となります。

年数だけを単純に比較しても、大きな差があります。ファイナンシャルプランナーの知名度が低いのは、まだ新しい仕事だから広く世間に認知されていないと考えてもおかしくありません。

また、ファイナンシャルプランナーの業務は、暮らしに必要なお金について、必要になるタイミング、金額を把握し、準備、計画することです。しかし、実際にプランニング業務を行っている人は少ないのが実情なのです。

ほとんどの有資格者が、銀行や証券会社、そして保険会社などに所属して、業務の信頼性向上としてFP資格を利用する企業系、企業内FPである、または、独立していても保険代理店として事務所を構えています。

ですから、普段の生活において、プランニング業務や暮らしのお金に関する相談を専門的に取り扱う姿を見られる機会が少なく、なかなか知名度が上がらない原因の一つになっています。

それから、ファイナンシャルプランナーの仕事は専門特化したものではなく、税金、不動産に関するものなどがありますが、実務自体は法律上できないこともあり、最終的には税理士や司法書士でないと対応できない問題も少なくありません。

この場合、最初から、税理士や司法書士に相談をしていれば、ファイナンシャルプランナーに相談する必要は無かったと思われてしまう可能性もあります。

そうならないようにするためには、トータルでのプランニングが必要であり、幅広い知識を持たなければいけません。

独占的に行える業務はないので、ファイナンシャルプランナーでないと受けられない仕事はありません。

スペシャリストではなくゼネラリストを目指し、幅広い知識の習得とそれを持っているというアピールが必要です。

(理由その2)FPは「幅広い」専門家で逆に分かりにくい

FPが独占する業務がないということは前述した通りですが、それではFPが担うべき役割とは何でしょうか?

日常生活において、どこに相談していいかわからない問題というのは多数存在します。

引越しや転職などで、市役所や区役所にて手続きを行う際、どこの課に尋ねればいいかわかりにくかったという経験はないでしょうか。

手続き内容によっては、よく理解できていないまま、とにかくやらなければいけないということしかわからない状況で行くことも珍しくありません。

その場合、自分で何をしに来たのか説明をしなければいけないわけですが、理解できていないわけですから当然うまくはいきません。

そこで、助けになるのが総合窓口です。丁寧にヒアリングし、相手の状況を把握し、手続きする場所や方法を説明します。

それには、複数の課にわたる業務内容を理解し、また、相談者が把握できていないことを推測し、確認をしながら、相談内容を的確に導き出す力が必要になります。

ファイナンシャルプランナーに求められる能力はこれです。

例えば、お金を増やしたいという希望があって、それを実現するのには、主に収入を増やす、支出を減らす、の2つがあります。

専門的な職業であれば、金融商品によって収入を増やすとか、節税により支出を減らすとか、一つの提案しかすることができません。

しかし、FPは生活に関わるお金をトータルで考えるので、双方を提案することが可能ですし、全く別の視点があり得るかもしれません。特定の業務に依存しないことで遠慮なく顧客にとってのベストな提案をすることができます。これが、FPがあえて特定の専門領域を深堀りしないメリットになるわけです。

ただしこれを実現するには、幅広く深い知識の習得が必要で、新たな法律やシステムが日々作られ更新されるため、継続的な勉強をする必要があるのです。

また、相談者の課題を適切に把握することが必須なので、丁寧なヒアリングも欠かせません。

相手の困っていること、実現したいことを見抜くには、相手の発言する内容だけでなく、自ら能動的に働きかけて、真意を引き出すことも必要になります。

自分が抱えている課題を自分以上に理解してくれて、それに対し的確な提案をしてくれる人がいたら、必然的に依頼が増えるのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーの仕事を増やすために

では原因が分かったところで、ファイナンシャルプランナーが仕事を増やしていくための対策について考えてみましょう。

まずFPであるあなたの「存在」に気づいてもらう

相談者の悩み、希望を的確にとらえ、具体性、効果のある提案をできるスキルがあっても、まずは知ってもらわなければ意味がありません。

知ってもらう方法として、多くの方法が挙げられますが、おすすめなのはブログやメルマガなどインターネットを利用した情報発信です。

おすすめする理由はコストがあまり掛からず、自分のペースで情報発信ができるからです。

例えば、広告ですと料金の幅はありますがコストがかかることが多く、また、広告の種類によっては効果が感じられなくても契約期間が終わらないと停止できないものもあります。

ブログであれば無料のものもありますし、有料のものでも月に1000円から2000円くらいの経費で運営することが可能です。

ブログであれば個性も出しやすく、他のファイナンシャルプランナーとの違いをアピールする場にもなります。

メルマガでは配信サービスのランニングコストとして、月に数千円から一万円ほどがかかることが多いです。

ブログと違い、訪問されるのを待たなくても、能動的にメッセージを伝えることができるため、見てもらえる可能性が高い媒体と言えます。

ブログやメルマガを使い、自分が何を与えられるか、具体的なサービス内容やメリットを広く知ってもらうことができます。

ブログとメルマガによる情報発信に興味のあるFPは、こちらの記事も参考にしてください。

「仕事がない」のではない。「価値」を伝えて受注せよ。

それでは情報発信して知名度を上げれば十分な仕事を受注することができるのでしょうか?

例えば、弁護士や税理士は社会人の多くが知っている職業であり、街の通りには看板広告があり、インターネットを使い法律や税金に関する調べ物をしていてもサービスや事務所紹介の広告が表示されます。

しかもファイナンシャルプランナーと違い、彼らは業務を行うのに資格が必要ですから、誰でも開業できるものではなく、希少価値も高いので、仕事を受注できる可能性も高いと考えるのが一般的です。

しかし実際には、忙しくて仕方がない会社や個人事業主がいる反面、経営が苦しい税理士や弁護士も少なくありません。

受注し切れないほど依頼を受ける会社や個人がいる以上、市場に需要がないわけではないのです。

見込み客が実際に仕事を依頼したいと思っても、具体的にどんなメリットがあるのかがわからないから、仕事を依頼することができないのです。

他者の仕事内容というのは、当事者以外の人にはなかなか見えてこないという問題があります。

例えば確定申告について、税理士に依頼する人と自分自身で行う人の2通りがあります。

税理士に依頼する人は、間違いが起こらないようプロに依頼したい、納税に関して自分で調べ資料を作成するより依頼した方が早くて品質も良いだろう、と判断したなどの理由があると考えられます。

逆に、自身で確定申告を行う人は、自分で実施する苦労とお金を払うことを比較し、自分でやる方が安くすむ、または、そもそもお金をかけたくないという理由が考えられます。

同じサービスを提供していても、受け手によって捉え方、反応は異なります。依頼したいと思わせるには、相手が理解できる言葉で、具体的な内容、得られる結果を説明する必要があります。

FPの実務に話を戻すと、例えば、老後の生活費が今のままだと足りないかもしれないという不安や心配は多くの人が持っており、まさにファイナンシャルプランナーの力が必要な分野です。

しかし、ただ資産運用について相談に乗ることができると伝えられても、その相談をすることによって、改善された未来が想像できなければ依頼されません

実際にライフプランなどを通じた改善提案には、実際に大きな価値があります。しかしそれを想像してもらうことが難しい、つまり、価値を伝えることが難しいわけです。

ファイナンシャルプランナーは、間違いなく需要のある業務である反面、わかりにくい業務でもあります。依頼して得られる利益やメリットを日頃から発信し続けることで見込み客を増やしていく努力が欠かせません。

逆に言えば、それができれば需要のある市場の中で、一人勝ちすることもできるわけです。

エクササイズとして、「顧客価値を一言で言えばどうなるか」について考えてみてください。例えば

「高収入なのに今まで全くできなかった貯金が見違えるようにできるようになり、教育費や老後不安がなくなります」

「相続税はかからないが、争族が悩みの人のために、争族を生まないための終活の手順が分かり、円満相続を実現することができます」

のように、一言で顧客価値を伝えられるレベルまで、ビジネスモデルや情報発信のクオリティを上げていきましょう。

ファイナンシャルプランナーの仕事が無い理由と対策まとめ

ファイナンシャルプランナーは開業するだけで仕事をもらえるような職業ではありません。

もちろん弁護士や税理士などの職業でも、同じく開業するだけでは仕事が入ってこないかもしれませんが、FPはまだまだ知名度が低く、世間に知れ渡っていない分、より情報発信してアピールしていくことが必要になります。

また、FP業務はパッと見て分かるようなものではなく、その価値を伝えるために丁寧な情報発信が求められます。

あなた自身のサービスを知ってもらうための基本メディアとして、ブログやメルマガを活用し、まずはどんどん情報発しながら少しずつ顧客を獲得していきましょう!

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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

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