乗合代理店提訴にみる、保険業法改正と保険代理店の「常識」の違い。

乗合代理店営業

行列FPの林です。

こちらの記事はもうお読みになりましたか?

2018年の暮れ頃から、提訴案件が始まっているようで、この記事では4件目の提訴とされています。

今日はこの記事の内容などから、僕個人的な見解についてお伝えしようと思います。

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目次

社会保険料を全額払わされる!?給料搾取が横行

これ実は数年前(2016年頃)から横行していたようで、その遠因はもちろん2016年の保険業法改正です。

2016年の保険業法改正について当サイトでも詳しく解説してますので、こちらの記事をご覧ください。

個人の保険代理店は「オワコン」なのか?

毎日新聞の記事の内容と僕が今まで得ていた情報を元に、あくまでも「違法な対応をしていた乗合代理店(の保険募集人)」に対する個人的な所感です。ほとんどの保険募集人や乗合代理店経営者は四苦八苦しながら適法な対応を取られているはずです。

売れっ子保険募集人の感覚は一般常識から「ズレ」ている?

MDRT(Million Dollar Round Table)というのは、募集人なら一度は聞いたことがあるかと思います。

時折、MDRTを実績として示されている募集人もおられるようですね。

保険代理店経営までしているなら、MDRT会員の方も少なくないと思います。ですが、その感覚を引きずったまま、業法改正にのっとった経営に切り替えるのは容易では無いのかもしれません。

というのも、元々募集人の置かれていた環境というのは「全部自己責任」の世界です。

保険募集人は、全員個人事業主みたいなもんでしたから、経費はメンバーで割り勘、みたいな感覚で代理店経営をされてたところも多いのではないでしょうか。

個人事業主同士の業務提携契約のようなものであれば、費用折半、社会保険料は自己負担、というのは普通の話です。

特にMDRT会員のような場合は、自己責任でのし上がってきたわけですから、その思いは余計強いかもしれません。

それがいきなり、やれ社会保険料だの、事務所経費は会社側で全額負担、となれば困惑する経営者も多かったことだろうと思います。

もちろんだからといって法令違反が許されるわけではありません。

そうじゃなくて僕が言いたかったのは、今回の訴訟というのは、社会常識と保険業界特有の常識との「歪み」が表に出てきた結果ではないでしょうか。

個人事業主と従業員は考え方が根本的に違う

今回の提訴の件で、(元)保険代理店経営者は戦々恐々としているかもしれませんが、本来は業法改正の時点で、考え方を根本的に変えるべきでした。

個人事業主は基本、その規模が小さいだけで経営者と同じです。

経営者というのは、リスクを背負う反面、報酬は青天井になります。

一方で従業員は、給与という形で比較的低いリスクで報酬を受け取れる反面、その金額は会社側に決定権があります(もちろん労働基準法による最低賃金の条件はありますが)。

低い給与や、給与に天井があったとしても、社会保険料や仕事に必要な物品や経費は100%負担してもらえるので、それで従業員は納得して働くわけですよね。

恐らく、この違いを理解しないまま業法改正後もなんとなくで経営してしまってたため、今回従業員の不満が爆発しちゃったのでしょう。

保険業法に恨み節を持っているかもしれませんが、事の本質はそこではありません。

報酬形態は個人事業主(自己責任)と同じだったのに、それに過大なノルマを課す方が歪んでいたからです。自己責任というならノルマも自己責任であり、それを押し付けたら経営者の勝手ないいとこ取りでしょう。

一方、従業員になる方も覚悟が必要で、給与所得者となれば指揮命令権は会社側に移りますから、当然ノルマがあれば、それを受け入れないといけません(当たり前ですが、パワハラや法令違反のない範囲で、です)。

今まで自由にやってたのだから、従業員になってからも自由にやらせてくれ、というのではあまりに自己都合な話です。

そういう意味で、経営者側も苦肉の策を弄していた可能性もあるのです(もちろん法令違反があれば、立場が弱いですが)。

今回の提訴では、そうした点についても争われるかもしれません。

提訴まで進んだということは、それだけ保険業法改正のインパクトが強かったということでしょう。

今後の保険募集はどうあるべき?

ということで、個人的に2つの選択肢があると思います。

従業員として保険募集をする(代理店勤務)

代理店に所属していたなら、今後も同様に所属して、従業員として給与所得をもらって活動する方法。

当たり前ですが、ノルマが課せられますし、それを全うするのが従業員たるあなたの使命です。

安定した給与を受け取る対価ですから、それは仕方ありません。

個人事業主や経営者として独立して保険募集をする

それが嫌なのであれば、独立して保険募集する手もあります。

昨今の流れ的には、小規模の代理店は淘汰される方向にあるんですが、だからといって個人で代理店経営ができないわけではないでしょう。

あくまで自己責任の世界ですが、ノルマも目標も全て自分で決定できるので、自由で面白い世界ではありますね。

まぁ従業員だからといって終身、収入が保証されるような時代ではもうないですし、仮にあったとしてもそこに依存するのは危険でしょうね。

特に昨今ではフリーランス的な生き方を選択する人が増えているわけで、業法改正はそれに逆行する面もあるのです。

【独立FPが解説】フリーランスFPになりたい人が知っておくべきこと

仮に従業員の道を選ぶにしても、並行して自分でお金を稼げるだけの「自力」を付けるのが、結局は一番安心だと思いますよ。

あなたの面倒を見れるのは、会社でも他の誰でもなく、あなた自身しかいません。

依存心を断ち切り、常に自らを成長させる意思を持った人だけが、不安を解消していけるのかもしれませんね。

保険コミッションに頼らず、フィーのみでFPとして自立する道もあります。

僕のメルマガも参考にしてくださいね。

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