このブログをご覧になっているということは、今はFP2級やAFP認定者であったり、これからFP資格をとろうと考えていたりするんではないでしょうか。
FP資格にもいろいろありますがFP1級もしくはCFP®認定者になる道のりをたどれば、全てのFP資格取得のステップが見えてきます。
以下、これからFP資格を目指す人は参考にしてください。
目次
日本のFP資格は大きく国家資格と民間資格に分けられ、それぞれ国家資格はFP3級、FP2級、FP1級、民間資格はAFPとCFP®があります。
FP3級、2級、1級は正確には「◯級ファイナンシャル・プランニング技能士」と表記するのが正しいのですが(技能士の表記について)、文章が長くなりすぎて読みにくいので、以下FP技能士と省略形でいきます。あなたの名刺には、正式名称を表記しましょう。
AFPやCFP®はFPSBの登録商標で日本FP協会がその使用を認めているものです(以下煩雑になるので、®マークを省略します)。詳細はAFPマークの使用についておよびCFPマークの使用についてを参照ください。
最上位資格はFP1級またはCFPですが、CFPには継続研修が課せられますし、国際資格でもあるのでCFPの方が上位であると思っている人も多いと思います。国際資格は、国家資格よりもグローバルですね。
ま、個人的にはどちらが上位でも構わないのですが、CFPを持っていればいろいろと仕事がしやすくなるのは確かです。
AFP、CFPは自動的に日本FP協会会員になりますので、協会の仕事を引き受けるチャンスも生まれますからね。
データで見るFP資格(FP協会)を参考にすると、AFP資格所有者は全国で160,169人(2019年9月現在)。
冷静に考えるとすごい数ですよね。
うち7%の約1.1万人がFP事務所、士業事務所所属ということで、僕みたいなFPはこの7%のところにいます。
これと学生、主婦(主夫)、その他を除くと残りは約80%ということで、多くのFPは金融機関所属という図式のようです。
また資格教材大手のユーキャンの調査では、FPが4年連続で「武器になる資格」に選ばれたとのこと。
金融機関への就職・転職に関してFPは武器(訴求点)になると感じている人が多いという結果になっています。
世間の注目度も高いようですね。
ここではざっくり「FP」となってますが、人数から言って2級/AFP認定者のことを言っているのだろうと思われます。
金融機関所属のFP取得者も増えていますから、確かに採用の際に担当者が見ている資格の一つかもしれません。
2級FP技能士/AFP認定者は1級/CFP認定者とまではいかなくとも、ちゃんとがんばって取得した資格として認められていると考えてもよさそうです。
ただ、金融機関に関しては1級(CFPよりも)を重視しているという話もあり、可能であればより上位資格の1級/CFP認定者を目指すのがいいでしょう。
採用担当者もきっとソコは見ているはずです。
僕も2018年3月1日にCFP認定者となりました。
CFP認定者になった後のことについて詳しくは記事を読んで頂くとして、先ほどのデータから言えば全国のCFP認定者数は22,335人。(2019年9月現在)
歴史が違いすぎるので比較するのは失礼かもしれませんが、税理士登録者数 78,617人(2020年2月末、日本税理士会連合会より)、弁護士数 41,118人(2019年、日弁連統計より)
FPはお金全般を扱う職業であることを考えれば、より専門性の高い税理士や弁護士と比べても、まだまだ数が少ないと言えるのではないでしょうか。
CFP認定者が10万人いても、日本の人口から見れば1,200人に一人のCFPですから全然おかしくないと思います。
お金の悩みや問題なんて、ほぼ全員持っていますからね。
つまり、今CFP認定者になることでニーズが高まる市場に参入することになり、先行者利益が得られるとも考えられます。
また後でも詳しくお話しますがCFP認定者は、各種セミナーや継続教育セミナー講師へ参入のチャンスがあります(FP協会が、CFP認定者を対象に募集しています)。
実際僕も継続教育セミナー講師を経験したことがあります。
このように先輩(CFP認定者)が後輩(AFP認定者)に教えるというビジネスモデルが確立していて、そういう意味でも価値のある資格と言えます。
2級/AFPでも十分ビジネスが出来ますが、1級/CFPがあればよりチャンスが広がったり、ビジネスを安定させることが出来ますので時間をかけても取得する価値はありそうです。
誤解がないように付け加えておきますと、2級やAFPに価値がないと言っているわけではありません。1級/CFPの方がそりゃ付加価値は高いよね、ということです。
ただ一つ注意が。
FPはAFPやCFPの違いをよく理解していますが、一般の人は「ファイナンシャルプランナー」ぐらいまでしか分かっていません。
ですので、AFPからCFPになったとしてそれでぐっとお客様が増えるかというと、残念ながらそれはありません(ただしFP協会のCFP検索システムに登録できるので、集客チャンネルは増やせます)。
逆にいえば、AFPだろうと立派な「ファイナンシャルプランナー」ですのでその状態でも十分集客は可能。
今後認知度が高まってくれば状況も変わるかもしれませんが、今のところAFP認定者でも集客すれば十分食べていけますので、そこは大丈夫かと思います。
もしあなたがFP資格を取得して独立しようと考えているなら、FP2級、AFP認定者からでも十分可能だということはお伝えしておきますね。
実際、僕もそうでしたから。
というか、集客や顧客基盤作りというのはある程度時間がかかりますから、2級、AFP時代から早めに取り組むのがいいでしょう。
そう考えれば、今の所CFP認定者を目指すのは、将来への投資といえそうですね。
あと、2級/AFP認定者と、1級/CFP認定者では実務経験の有無に違いがあります。
1級/CFP認定者は必ず実務経験が問われますので、資格だけ取得して実務経験が無い人との差別化にもなるでしょう。
ではこのCFPやFP1級を実際に取得するには、どのようなステップで攻略していけばいいんでしょうか。
分かりやすいように、図にしてみました。
いくつかのパターンがありますが、CFPを目指す場合は
のいずれかがメインです。
またFP1級を目指す場合は
のいずれか、CFPを経由する場合と経由しない場合があります。
以下、FP3級 → FP2級 → AFP(認定研修) → CFP → FP1級の流れについて見ていきましょう。
まずは各資格の受験資格と合格条件を表にまとめてみました。
資格 | 受験資格 | 認定条件 |
---|---|---|
FP3級 | 特になし(誰でも受験可能) | 3級FP技能検定に合格 |
FP2級 | ・3級FP技能検定合格者 ・またはAFP認定研修を修了 | 2級FP技能検定に合格 |
AFP認定者 | ・3級FP技能検定合格者 ・または2年以上のFP実務経験 ・またはAFP認定研修を修了 | ・2級FP技能検定に合格 ・かつAFP認定研修を修了 |
CFP認定者 | AFP認定者 | ・CFP資格審査試験に全科目合格 ・かつ3年以上の実務経験(またはみなし実務研修でも可) |
FP1級 | 【学科】 ・2級技能検定合格者で、かつFP業務に関し1年以上の実務経験者 ・CFP認定者またはCFP試験合格者、「FP養成コース」の修了者でFP業務に関し1年以上の実務経験者は学科免除 【実技】 ・1級学科試験のみ合格者 ・または1級学科試験の免除者 | ・1級学科試験に合格または免除 ・かつ1級実技試験に合格 |
基本的に上から下に行くほど上位資格になりますが、FP2級とAFP、FP1級とCFPの取得難易度はほぼ同じです。
基本的には上位資格(下)を取るためには、下位の資格(上)を取得しないといけない仕組みになっています。
下位資格から順に、詳しく見ていきましょう。
まず3級FP技能士試験を受験します。
FP3級には受験資格が特になく、誰でも受験できるようになっています。
まぁ、最も入り口の資格ですので当たり前といえば当たり前ですね。
3級FP技能検定に合格するとFP3級となり、FP2級の受験資格が得られます。
それほど難しい試験ではありませんので、少し真面目に勉強すれば合格できると思います。
年3回、1月、5月、9月に試験があります。
試験は日本FP協会主催のものと、金融財政事情研究科(略してきんざい)主催のものの2つがあります。
それぞれ学科試験と実技試験があり、実技試験は
の中から選んで受験します。
受験手数料は学科、実技それぞれ3,000円(非課税)のあわせて6,000円。
3級の試験時間は学科120分、実技60分になります。
学科試験、実技試験は別々に合格すればOKです。
例えば学科試験のみに合格し、実技試験に落ちた場合、次回は実技試験だけ合格すれば、技能士を取得できます。
ただ、年に3回しかない試験ですので、別々に取るのは時間効率が非常に悪いです。
できればがんばって、学科と実技の両方同時の合格を目指してください。
FP3級になれば、2級FP技能検定を受験することができます。
僕はこのルートを辿ったのですが、実は2級FP技能検定を受験するために、必ずしもFP3級が必要になるわけではなく、特定の認定研修を受けるだけでもいいみたいです。
「2級のレベルから合格できる!」
ということであれば、時間短縮のために認定研修で受験資格を得てしまってもいいでしょうね。
日程は3級と同じ。
こちらも日本FP協会ときんざいが主催しています。
3級との違いは難易度と、実技試験の種類、試験時間です。
この中から、ご自身の得意分野や、これから目指す業務に近い実技試験を選んで受験すればいいと思います。
受験料は学科4,200円、実技4,500円(非課税)のあわせて8,700円。
2級の試験時間は学科120分、実技90分と、学科が30分長くなります。
ちなみに僕はFP協会の「資産設計提案業務」でした。
2級も3級と同じく、学科と実技は別々に合格して構いません。
が、こちらも同時合格を目指すことをお勧めします。
AFPはFP2級相当ですから、FP2級に合格すればAFPは取ったも同然です。
AFP認定研修(技能士課程)というのを受けて修了すればAFP資格への登録が認められます。
実際にAFPとして認定されるには、AFP資格登録手続きから数ヶ月かかることがありますから、日程を気にする場合は注意してください。
AFP認定研修は、こちらで検索できます。
AFP認定研修を検索するといろいろ出てくると思います。
名前に「研修」がついているのでセミナーやスクールを想像しますが、実際には通信講座のようなものもあります。
最後に課題(キャッシュフロー提案書)を提出して研修修了となれば完了。AFP登録に進んでください。
AFP認定研修のお勧めはこちらですね。
資格対策ドットコム|Artis
認定研修は試験ではないので、とにかく課題を提出してOKならなんでもいいんです。
ですので、短期間で安く済むものを選べばいいでしょう。ここにこだわる必要はありません。
さっさと課題を終わらせ、AFP登録を済ませてくださいね。
AFP登録が完了したら、いよいよCFP試験の受験ができます。
CFPになるにはCFP試験(正確にはCFP資格審査試験)の6科目全てに合格し、CFPエントリー研修を受けます。
3年以上の実務経験を元にCFP試験合格から5年以内にCFP資格を申請、申請が認められれば晴れてCFP認定者となります。
概要をまとめると、CFP認定者になるためには
が必要ということになります。
CFPエントリー研修はともかくとして、CFP試験6科目合格と実務経験のハードルが高いと思われます。
毎年2回、6月と11月に実施されます。
試験課目は全部で6課目あり、試験時間は1科目120分です。
試験の順番は上から順に
となっていて、試験の順番、開始・終了時刻は毎回同じです。
上3科目が1日目、下3科目が2日目で、
2日目は1日目の1週間後となります。
受験料は1度に受ける課目数により異なり
となっています。
全科目一気に受験してもいいですが、初めて受験する場合、6科目全ての準備を一気にこなすのは大変です。
焦ってたくさん受験して落ちまくるより、少ない科目数で確実に合格していくほうがお金も時間も効率的ですし、心理的にも落ち込まなくて済みます。笑
お勧めは2科目から3科目ぐらいを同時に受験することでしょう。ちなみに僕は原則2科目ずつ受験しました(業務で忙しいときは1科目だけ)。多少時間はかかりましたが、ストレスなく合格できたと思っています。
CFP試験の合格法(勉強法)についてはこのブログでも記事をアップしていますので、参考にしてください。
↓
実務経験の例が日本FP協会のサイトにあります。
実務経験というとなんだかハードルが高そうですが、中には「学生、主婦、無職等のボランティアによる相談業務」も含まれていて、何でもありじゃないか?という印象を受けます。
他にも、情報通信・サービス・マスコミ・出版等で「インターネットを通じたFPに関連する情報提供」なんてのもあります。
解釈によっては、ブログでFP(お金)に関する情報発信をしているだけで、実務経験として認められる可能性だってありますね。(実際には分からないですが、文面だけ見ればOKな気はします)
実際には協会が判断することなので僕個人がとやかく言うべきではないのでしょうけど、これを見る限り、そんなに難しく考えなくとも良さそうです。
要は、FPに関してなにかしら活動をしていたら、実務経験として認められる可能性が高いんじゃないでしょうか。
FP1級の取得には、学科試験と実技試験の両方合格が条件となります。
ただし、学科試験には免除条件があるので、それを上手に活用しましょう。
1級学科試験は以下の条件で免除になります。
学科免除されれば1級取得がすごく楽になり、あとは1級実技試験を受験して合格するだけです。
1級学科試験の内容は四肢択一の50問+記述式5問の120分。6割正解で合格です。
僕は学科免除なので経験したことはないですが、内容としてはCFP資格審査試験に類似していると思われます。
まぁ、だからこそCFP合格者は免除なんでしょう。
1級実技試験には2種類あって、一つは日本FP協会の記述式、もう一つはきんざいの面接式です。いずれか一方を受験し、合格すればOKです。
日本FP協会は20問、120分の記述式試験です。選択肢から選んだり、論述問題があったりします。こちらは6割以上正解で合格。
僕は日本FP協会の話しか聞いたことがありませんが、FP協会の実技試験の合格率は9割以上と高いようですので、こちらを受験する人が多いようです。
きんざいは設例課題に基づく面接を2回行い、いずれも100点満点で合計200点満点です。
200点満点のうち、6割の120点以上であれば合格となります。
設例は当日、面接開始の15分前に渡され、その場で回答を考えて面接に望むという流れです。
注意していただきたいのが、受験料が2万円(日本FP協会)から25,000円(きんざい)とそこそこする点です。
CFPのように更新が不要なので、ある意味コスパは高いかも知れませんが、何度も受験するにはちょっとキツイ金額ですね。
事前対策が出来るという意味でも、日本FP協会の記述式試験の方が有利ではないでしょうか。
FP3級から始まり、最後はCFP認定者やFP1級になるまでの道のりについてまとめてみました。
AFPでも仕事はできることが多いですが、できればCFP認定者になるともう一段上のレベルでの仕事が出来ると思います。
特に継続教育の講師などはCFPでしかできないことがほとんどのようですので、AFPに教えて講師で稼ぐ、というのはCFPの特権のようなものでしょう。
がんばってくださいね!
CFP認定者を目指すなら、こちらのCFP試験対策記事もどうぞ。
上位のFP資格取得を目指している人に一つお伝えしておきたいことは、もしFP資格を副業なり独立なり、なんらかの収入につなげたいとお考えであれば、まずはFP2級・AFPレベルで十分だということです。
むしろ、FP1級やCFPを目指す事に注力しすぎて実務に携わらなければ、いつまで経っても実力は付かないと考えてください。
専門知識はもちろん必要ですが、選択肢から正解を選ぶ能力がどれだけ高くても、お客様は嬉しくもなんともありませんので。
集客、実務を通して、本当の実力を磨いていきましょう。
↓
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