こんにちは。行列FPの林です。
少し前の記事ですが副業解禁が大手企業にも広がっているという記事が日経新聞に掲載されていました。
僕のところにも副業で FP を始めたいという相談が多く寄せられますが、具体的に副業で成功するという話の前に、副業を進めていくにあたって大切な自己管理のポイントをまとめておきたいと思います。
この記事でお伝えする自己管理法のポイントは…
目次
この記事では東証一部上場の大手企業にアンケートを実施したところ、「副業を認め制度化している」企業が19.0%、「制度はないが副業を認めている」企業が30.6%と合わせて49.6%の企業が副業を認めている結果になったとのことです。
半数が副業を認める結果となったことは非常に大きな変化だと言えるでしょう。数年前までであれば、これほど多くの企業が副業を認めてはいませんでした。同記事にもありますが2018年3月では副業を認めている企業が31.5%だったといいます(ただし社長100人アンケートの結果であり上記アンケートとは別企業)。
これだけをもって副業解禁の企業が増えたとは結論付けられませんが、全体的な傾向として副業を認める企業が増えていることは確かなように思います。
このような流れにあって、僕が独立 FP に関する情報発信をしていることもあって副業で FP 業を始めたい、という相談が僕のところにしばしば届きます。
その都度色々お伝えするのですが、個別のご相談ではお伝えしきれない、もっと基本的な「自己管理法」についてまとめておきますね。
副業といっても以下のパターンがあります。
どこかの会社が「主」で、別の会社を「副」として仕事をかけもちするパターン。この場合、いずれの会社でも「従業員」ないしはそれに近い形態での副業となります。
僕は労務の専門家ではないですが、副の会社から「請け負う」契約形態であっても、いずれかの組織(主となる会社?)が勤務管理をせねばならず、なにかしらトラブルがあった場合にどこが責任を負うのかが問題となります。
こうした側面があるので、副業を容認はしていても、あまり積極的にOKとはいえないという姿勢の会社が多いのだと記事では指摘しています。
ま、確かに会社としては従業員の副業なんて勝手にしてもらったらいいはずですが、ウチの業務が進んでもないのに、トラブルの時に責任を負わされるのは割に合わない、というところでしょうか。
一理あるといえるでしょう。
こちらのパターンの場合はある程度企業が副業も含めて勤務管理をしてくれる可能性があるので、100%自己責任で自己管理しないといけないというわけではないでしょう。
本業として一社に帰属していて、副業として個人事業主で開業しているパターン。この場合、副業での勤務管理はあくまでも事業主であるあなた自身となります。
逆に個人事業の勤務管理も本業の会社が口出ししてくるようであれば、別の問題が発生するでしょう。
例えば個人事業では報酬に上限がありません(下限も無いですが 苦笑)。もし副業とはいえ本業を凌ぐレベルの収入があるなら、そこの労働時間を規制してくる本業の会社は、個人に相当な不利益を課すことになります。
有り体に言えば「個人事業なんだから余計なお世話だ」ということです。
法的に厳密なことは僕には分かりませんが、こうした問題を必ずはらむはずです。
FP業を副業とするなら、通常は個人事業主パターンとなるでしょう。つまり、勤務管理は全て自己責任が原則です。
副業が軌道に乗って本業として独立する可能性だってあります。そのときのために、上手に自己勤務管理できるようになっておきましょう。
独立したら、自己管理は非常に重要なスキルですからね!
副業初心者がやってしまいがちなのが「睡眠時間を削って作業をする」という失敗です。
かくいう僕も、副業当時は睡眠の重要性を知らなかったため、これをやってしまい、全体のパフォーマンスを下げてしまった苦い経験があります。無知というのはとても恐ろしいことです。
非常に短期間、たとえば1週間だけとかであればまぁ目をつぶっていいかもしれませんが、基本的に睡眠時間を削るのは絶対NGです。
というのは、睡眠時間を削ると
あなたは副業を短期決戦だと思っていますか。あるいはアルバイトのように、一時だけ稼げればそれでいいと、刹那的に考えているのでしょうか。
であれば、睡眠や健康、パフォーマンスなんかに気を配る必要はないかもしれません。もちろんこの記事でお伝えしているようなことも必要ありませんので、この時点で記事を閉じていただいて構いません。そのかわり、稼げる金額もほんの僅かでしょうけど。
この記事をお読みのあなたは、もう少し長期的な視点で副業を考えていると信じて先に進みますね。
個人差はあるものの、米国立睡眠財団は7時間から9時間の睡眠を勧めています。
また慢性的な睡眠不足と乳癌、結腸癌、冠動脈性心疾患などの病気の発症リスクの増加との間に強い関係性があることが分かっています。そのことから、例えば夜間シフトで何年も働き続けてきた看護師は60%も乳がんにかかりやすくなるという驚きの結果も出ているそうです。
あなたが副業にチャレンジするのは、なにも健康を害したいからではないですよね?
さらに、睡眠不足は日中のパフォーマンスを大幅に低下させます。
例えば毎日6時間しか睡眠を取れていない人は、日中のパフォーマンスが酩酊状態の人と同じレベルといった話はあなたも耳にしたことがあるはずです。
それが分かっているのに、6時間以下しか睡眠しないのは愚の骨頂。それを知っていてなお睡眠時間を削る人に、副業をする資格はありません。
「昼寝=サボり」という考えは昭和の遺物です。令和時代から見れば、あまりにも古びた有害な考えですので、もしそのような考えをお持ちなら、今すぐゴミ箱に捨ててください。
最近になって、ようやく昼寝のプラス効果が見直されてきました。
昼食後に眠たくなるのは誰でも経験していることですが、これは実は昼食が原因ではありません。誤解して昼食を抜くなどといった愚行に出ないようにしましょう。
人間の体はもともと夜だけでなく、昼も眠くなるようにできています。
ですので、この自然のリズムに逆らうことなく、昼寝をすることでその後のエネルギーを回復させ、仕事の効率を高める効果があるんですね。このエネルギー回復のための昼寝のことを「パワーナップ」といいます。
適切なパワーナップの時間は15分から30分、場合によっては90分と諸説ありますが、現実問題として30分ぐらいがバランスがいいかもしれません。僕も毎日、30分のパワーナップを取っています。
たかだか30分の休息でその後のパフォーマンスが目に見えて向上するなら、非常に効率の良い時間投資だと言えるでしょう。このことを理解できない経営者や個人事業主は時間に対する効率の概念を本気で学び直す必要があります。
さらにパワーナップの目覚めをよくするために、入眠直前にコーヒーなどでカフェインを摂取するとよい、という人もいます。カフェインに抵抗のない人は、併用してみるといいかもしれません。僕は体質上ダメですが。
ただし、多くの人は昼に出社しているはずなので、パワーナップは会社で取ることになるでしょう。パワーナップに前向きな会社では、社員の仮眠室まで用意されているそうです。
あなたの会社が、先進的な考えを取り入れるだけの柔軟性を持っていることを切にお祈りします。
睡眠の重要性に関してはこちらの本もお勧めです。
さて、ここまで睡眠時間と昼寝について指摘しましたが、なぜそこまで睡眠にこだわるかというと睡眠の時間と質が健康と仕事のパフォーマンスに直結するからです。
当たり前ですが本業に加えて副業までしようという人が、仕事のパフォーマンスに無関心でいいはずがありません。にも関わらず、睡眠に関して無頓着、というのはいかがなものかと思います。
まずは適切な睡眠習慣を身に付け、健康と仕事のパフォーマンスを高めましょう。これが今日からあなたにできる、そして誰にでも効く特効薬になります。
その上で、仕事の効率を高めるべきなのは言うまでもありません。
仕事の効率を高める方法はたくさんあります。その中から何か一つの方法をあなたに押し付けるつもりはもちろんありませんが、例えば僕は GTDシステムを採用しています。
GTD(Getting Things Done)は仕事効率化の世界的権威であるデビッド・アレンが提唱するタスク管理法で、特定のツールに依存せず、好きなツールと組み合わせて実践できるのが特長です。日本では株式会社ドットインストールの田口元さんが(恐らく最初に)GTDの普及に尽力されました。
僕もずいぶん前から GTD を実践し続けていて、始めた時期のことはあまり覚えていませんが、おそらくGTDを始めてもう十年近くになります。過去にはGTDのエッセンスをセミナーでお話ししたこともありました。
GTDについてここで詳しくお話することはしませんが、もし興味があればこちらの本がお勧めです。
↓
GTDでなくとも、仕事の効率が上がればそれでいいので、あなたに合う方法を探してみてくださいね。
これも重要なことなのでお伝えしておきたいのですが、本業も副業も真面目に頑張る人はとにかくエネルギーの使いすぎに陥ってしまうことがよくあります。
上でお話しした通り睡眠時間もしっかり確保しパワーナップもとり仕事の効率も上げていくことで副業を生活習慣化することも可能でしょう。ですがどうしても家族サービスやプライベートの時間を犠牲にしがちになります。
最初の一定期間、例えば2ヶ月とか半年ぐらいであればそれでも OK かもしれませんが少しずつひずみが蓄積されていき、あなたとあなたの周りの人のエネルギーを徐々に奪って行きます。
そこで、あなたのエネルギーが足りないなと感じた時点で思い切ってエネルギーを回復する時間を取ることをおすすめします。
これには色々な方法がありますが、1日全く仕事をせず、ボーっとする日を作ったり、マインドフルネス瞑想を取り入れたり、家族と旅行に出かけたり、ジョギングやランニングなどの運動をしたり…と、人によって様々です。
例えば僕は、1日中パソコンの前にいて体がなまってしまうので「筋トレ」と「ジョギング」を習慣の中に取り入れています。
どんな方法でも良いですがあなたの心と体のエネルギーを回復させる効果的な方法を見つけ、 それを習慣化しましょう。
なんでもそうですがやり過ぎは禁物です。心と体を定期的にリフレッシュさせながら、持続的に発展できる環境を作っていきましょう。「継続は力なり」です。
副業解禁の企業が増えるにつれ副業にチャレンジする人も今後は増えていくことでしょう。ただし本業だけでも忙しい毎日を送っている中に副業を取り込むことは今まで以上の自己管理が求められると考えてくださいね。
本記事で取り上げたのは副業を成功させるために、僕が最低限必要と思う自己管理法です。 少なくともこれらができなければ持続的に副業を実践することは難しくなるでしょう。
心配することはありません。一つ一つは難しいことではありません。ただ、既成概念から抜け出し、習慣化まで持っていくのにエネルギーが必要だということですね。しっかり取り組みましょう。
最後にポイントをまとめておきます。
習慣に取り入れ、慣れてしまえばそれほど苦労なくできるようになるでしょう。
これらの環境を整えた上ででは具体的にどのような副業にトライするかは、例えばこちらの記事も参考にしてください。
↓
では、楽しみながら副業を実践してくださいね!
FIREブームの原典「お金か人生か」が暴く「現代の病」とは
外貨建て保険に逆風?金融庁が新たな共通KPIを導入。その中身とは!?
【セキュリティ対策】恐怖!アカウントが勝手に作成された!?対処法と心構えについてシェアします
LIFE SHIFT2 から学ぶ、先の見えない時代のFPの役割とは
知識を積み上げる!年末年始に読み込みたい、お勧め厳選3冊!
「配当節税二重取り」の穴が防がれる?令和4年税制改正大綱で判明。さらなる対策とは?
FPも顧客をお金もちにする?「行動経済学入門」カンタンレビュー
70年代に逆戻り?日本はもう先進国とは言いにくい。個人はどう対策すべき?
【勉強家必見】点から面への読書に進化する方法!「鈍器本」独学大全の魅力と、技法のご紹介
【初心者向け】FPにとってのネットメディアの役割を図解で説明
コメントフォーム