CFP®資格審査試験に役立つテキストを自腹で複数購入し、レビューと比較をしてみました。
CFP試験の勉強用テキストというのは数があまりなく、専門書なので全部揃えるとそれなりの金額になります。
この記事のためだけに数万円の出費になりましたが(笑)、そのせいか、ちゃんとした比較記事というのは少ないようです。
CFP試験対策テキストを選ぶ参考になれば幸いです。
目次
まず結論からいいますね。
あくまでも僕の独断が入っていますし、他にもよいテキストはたくさんあると思いますが、CFP試験対策のテキストとしてどれか一つ選べと言われたら僕はこちらをお勧めします。
FPK研修センター、山田コンサルティンググループ、日本FP協会が提供しているテキストや講座に付属のテキストを比較した結果、TFP研修センターの演習解説DVDコースを選びました。
詳しい理由は本文に譲りますが、個人的に過去問重視であること、同梱されている「事例演習と重点ポイント」が過去問に対する重点的な解説になっていることから、こちらのテキストをチョイスしました。
(いわゆる「教科書」タイプのものは、僕は眠くなって読めないんです…苦笑)
ただし、これも後ほどお話しますが、山田コンサルティンググループの過去問解説講義DVDも非常に秀逸なんです。
実際に解きながら(参加しながら)の講義なので、飽きませんし、知識も身につきやすいと思います。
ですので、DVD重視の方なら山田コンサルティンググループの問題演習コースもお勧めですね。
詳しくは本文を読んでみてください。
なおCFPの「過去問」についてはこちらの2つの記事でご紹介していますので参考にしてください。
上の記事ではCFP過去問についてサラッと、下の記事ではガッツリと解説しています。
ただし、僕もすべてのCFPテキストや講座を申し込んだわけではなく、他にも良いテキストがあるかもしれません。
また、あくまでも僕の独断ですから、他のテキストや教材のほうがいいと感じる方もおられるでしょう。
お勧めはあくまでも著者のイチ意見として参考になさってください。
記事執筆時点では
この記事では「FPK研修センターのテキスト」、「山田コンサルティンググループのテキスト」、「日本FP協会の公式テキスト」を実際に購入し、それぞれのCFPテキストについて詳しくレビューしていきます。
(その他のテキストも、サンプル等があれば可能な限り触れています)
いずれも自腹で用意したもので、全部で数万円単位の費用がかかってますが、販売者からのリベート等は一切ありません。
僕の独断やフィルターはかかっていますが、第三者の客観的な意見として、またCFP®認定者の意見として参考になるかと思います。
CFP研修センターがCFP試験対策用テキストを販売しています。
正確には以下の4つのCFP受験対策講座コースがあって、それぞれ構成が異なります。
基本テキストコース | テキスト解説DVDコース | 演習解説DVDコース | 強力合格コース | |
---|---|---|---|---|
日本FP協会 FPテキスト | ◯ | ◯ | ◯ | |
事例演習と重点ポイント | ◯ | ◯ | ◯ | |
直近過去問題1回分(公開済のもの) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
オリジナル精選過去問題集 | ◯ | ◯ | ||
テキスト解説DVD(12時間) | ◯ | ◯ | ||
演習解説DVD(12時間) | ◯ | ◯ | ||
科目毎の教材価格 | 12,800円 | 12,800円 | 12,800円 | 27,000円 |
各構成は、この表で分かると思います。
それぞれの価格は1科目分のもので、6科目購入すると単純に6倍か、6科目セットで一気に購入すれば多少の割引も受けられるようです。
今回、レビュー用として試しに、FPKショップから「演習解説DVDコース」の金融資産運用設計を購入してみました。
こちらがその内容物です。
税込み12,800円ですから、6科目すべて購入すると76,800円とそこそこのお値段になります。
これでCFP試験対策ができると思えば、費用対効果として特に高価とは言えませんが、僕は既にCFP認定者になってますし、レビューのためだけに全部買うのはさすがに僕の財布がイタイですので(笑)今回は金融だけ。
以下金融資産運用設計(金融)のテキストのレビューですが、他の科目でも基本的に同様だと思われます。
ではそれぞれ見ていきましょう。
結論から言えば、「こういうのが欲しかった!」という内容のテキスト。
構成は過去の出題頻度の高い過去問を事例にしながら、1問ずつその解説をしっかりしていく、というもの。
同じFPKの精選過去問題集やFP協会の公式過去問にも解説はありますが、1問につき半ページぐらいしかありません。
その点、この事例演習と重点ポイントテキスト(以下重点テキスト)では、1問につき1ページから2ページに渡ってしっかり解説してあります。
例えば134問で226ページ使ってますから、1問につき約1.7ページを使っている計算ですね。
直近の税制に関する補足・改正資料編もついていて全部で248ページの割と分厚いテキストです。
最初は知識も少ないですから、最低限これぐらいの解説がないと問題の理解がなかなか進まないでしょう。
公式過去問ももちろんいんですが、ネックは解説が少なく、分からないところは他のテキストやネットの情報で補わないといけないという課題がありました。
重点テキストではその課題をかなり克服できていると思います。
その他、構成の特徴としては
難易度は4分類で
難易度表示は目次と問題に記してあるので、難易度別に学習したり復習したり簡単にできるようになっています。
というわけでこれ1冊でかなり理解が進むと感じました。
「演習解説DVD」は上記「事例演習と重点ポイント」テキストの内容を、解説した動画を収録したものです。
今回購入した平成30年度版では、生活設計塾クルーで有名な目黒正明先生(CFP/1級FP技能士)が全編解説されています。
目黒正明先生のプロフィールはこちら
(12時間も解説をし続けるのは重労働だと思いますが…)
演習解説DVDも視聴しましたが、基本は重点テキストに沿った解説になっていますので、重点テキストだけでも理解は可能だと思います。
ただ、テキストと違う視点で解説してくれたり、ホワイトボードを使って図で説明したりと、より理解が深まる内容になっているのは間違いありません。
なお、「CFP資格審査試験に向けての学習の進め方」という補助冊子がついていて
この冊子にも書いてあるのですが、DVDを視聴する前に重点テキストをざっと読むか一度解いておくことをお勧めします。
というのはDVDの方で先に答えが分かってしまうので、DVDを先に視聴してしまうと問題を解く力にならないからです。
まぁ、重点テキストは、あくまでも問題のポイントを解説したテキストと割り切ってもいいですけどね。
そういう意味では、同じTFP研修センターの精選過去問題集や公式過去問と組み合わせるのが効果的でしょう。
過去問といえば、この演習解説DVDコースにも、過去1回分のCFP試験過去問と解答が同梱されています。
日本FP協会の公式過去問との併用を考えるなら、同梱されている回のさらに前の回を購入すればいいでしょう。
さらに「CFP受験対策講座修了テスト」も同梱されていて、こちらの解答を提出すれば継続教育7.5単位が取得できるそうです。
かなりお得感がありますね。
TFP研修センターの演習解説DVDコースを購入し、テキストをレビューしてみました。
個人的には「事例演習と重点ポイント」テキストが非常に好印象で、さらにDVDと組み合わせて短期間で、理解力を深める秀逸な教材に仕上がっていると感じました。
この教材と併用するテキストを挙げるなら、FPKオリジナル精選過去問題集か公式過去問があれば、CFP試験対策としては十分だと思いますね。
FPKオリジナル精選過去問題集はこちらです。
↓
なお、個人の好みにも依存するのですが、DVDはいらない、という人ならTFP研修センターの「基本テキストコース」もお勧めです。
こちらはDVDがつかない代わりに、事例演習と重点ポイントテキストと日本FP協会のFPテキスト、オリジナル精選過去問題集、過去問1回分がセットになってます。
演習解説DVDコースに精選過去問題集を追加すればかなり強力ですが、費用を抑えたい場合は基本テキストコースでもいいかもしれません。
ただ、オリジナル精選過去問題集は別売されてますが、演習解説DVDは別売されていません。
あとでやっぱり欲しかったとなると、応用が効くのはやっぱり演習解説DVDコースです。
そういう意味でもTFPの演習解説DVDコースはお勧めですね。
1科目だけなら安いですし、試しに一つ購入してみるのもありでしょう。
以前は東京ファイナンシャルプランナーズ(TFP)で活動していましたが、今は山田コンサルティンググループに統一されているようです。
この山田コンサルティンググループには「CFP試験対策講座」があり、
この比較表を見ると、FPK研修センターの演習解説DVDコースは山田コンサルティンググループの「問題演習コース」に似ているのではないかと推測されます。
このコースを購入しようかと思ったのですが、教材は先行分と後送分に別れていてどうも「適切な購入時期」があるみたいですので今回は見送りました。
そのかわり、当事務所のスタッフが過去にCFP試験に挑んだ時に購入した、山田コンサルティンググループのテキストがありましたので、そちらとスタッフの当時の感想、別売のテキストを購入して以下記事をまとめてみました。
(ですので、TFP研修センターのテキストとは平等な比較になってないかもしれません。ご了承ください)
山田コンサルティンググループの問題演習コースには
過去に購入したスタッフによれば過去問解説DVDは引越し時に破棄してしまったとのことで、これについてはよく分かりません。
あまり必要性は感じなかったので、視聴しなかった、という話でした。
(というか、DVDあったのかなという記憶レベルでした)
ただ、幸い公式ページの方にサンプル動画がおいてありましたので、そちらを視聴してみましたので以下レビューします。
その下の3つ、FPダイジェスト上級編(過去購入分)公式過去問、およびCFP頻出過去問題集(新規購入)については手元にありますので、こちらもレビューしていきます。
ではまずDVDからレビューしていきましょう。
公式ホームページに各科目毎のサンプル動画(約10分)がありますので、視聴してみてください。
CFP試験対策講座 問題演習コース(山田コンサルティンググループ)
個人的には相続DVDの関西弁講師(備順子氏)がめっちゃツボにハマったんですが(笑)それはともかく、
DVDの構成としては過去問1回分を材料にした、ワーク講義、とでもいいましょうか。
特徴的なのは問題を解く時間を実際に用意して問題が解けたらそれを解説していく、という感じで講義を進めていくことです。
なので、DVDにワークで参加しながら視聴を進める感じになりますね。
FPK研修センターの演習解説DVDもいいのですが、山田コンサルティングの過去問解説講義DVDの方が「参加している感」があって秀逸だと思います。
実際に手を動かしますから脳も活性化しますしね。
ただ、あくまでも過去問1回分ですから、問題の分量としてはFPKのDVDの方が多いです。(FPKの重点テキストは130問以上)
とにかくFPKの重点テキストをやり込めば知識は身につくでしょうから、時間効率で見ればFPKの方が若干上かな?とは思います。
平成23年度版とかなり古くて恐縮なんですが、内容の方向性は今も変わりないかと思います。
で、どんな内容かというといわゆる「教科書」ですね。
後ほどレビューする、日本FP協会の「FPテキスト」というのがありますが、それとある程度構成が似ています。
またFPダイジェスト上級編は本文358ページ、FPテキストも本文351ページとボリュームも同じぐらいですね。
せっかくなので並べて比較してみました。
(FPダイジェスト上級編の方にはたくさんタグがついてて、使い込まれていますが、僕ではなくスタッフの勉強成果です)
両者の違いは、FPテキストは理論編と実務編と大きく2部構成になっているのに対し、FPダイジェスト上級編ではとにかく項目毎に試験に必要な知識を順番に網羅している印象です。
ホームページにFPダイジェスト上級編のサンプルがありますので、検討材料にしてください。
CFP試験対策講座 問題演習コース(山田コンサルティンググループ)
どちらの教科書が使いやすいかというとこれはもう好みの問題としかいいようがないと思いますね。
ただし試験勉強に使うなら、ややFPダイジェスト上級編の方が適しているかな?という印象です。
というのもFPダイジェスト上級編には各章の章末に「練習問題」がついていて、章の理解度を把握することができるようになっています。
また巻末には「確認テスト」がついていてこの解答を提出すると
僕は昔から教科書を読むことができず、読んでいる途中で寝てしまうのですが(苦笑)、この練習問題があるので、なんとか寝ずに読むことができそうです。
ただ、前から順番に読むよりはまず過去問を解いてみて、わからない部分の知識を補うために見るほうが効率がいいと思います。
その方が、断然記憶にも残りやすいでしょうしね。
FPダイジェスト上級編にせよ、FPテキストにせよ、こういう教科書が1冊あれば役に立つとは思います。
公式過去問や、他の過去問との比較についてはこちらの記事が詳しいです。
ちなみにFPKの演習解説DVDコースにも、公式過去問が1回分付属しています。
CFP頻出過去問題集(頻出過去問)も、以前購入したものが紛失してたようなのですが、別売で購入しましたのでレビューします。
ノリとしてはFPK研修センターの「事例演習と重点ポイント」テキスト(重点テキスト)と同様で、出題頻度の高い過去問とそれに対する解説という構成です。
単なる過去問ではなく、一部最新の法令にしたがって修正しているものもあるようです。
この点は重点テキストに似ていますね。
頻出過去問と重点テキストとの違いは
どちらがいいとか悪いとかではなくてそういうポリシーで作っているんだと思います。
頻出過去問は公式過去問を少しだけレベルアップしたもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
CFP試験対策講座コースの中の問題演習コースに焦点を当ててみました。
この記事の冒頭で「TFP研修センターの演習解説DVDコース」を推してますが、山田コンサルティングの過去問解説DVDの出来も素晴らしいので、DVD重視の方はこちらがいいかもしれません。
全体的にFPK研修センターの教材は過去問解説重視、山田コンサルティンググループの教材は教科書+DVD重視という印象でした。
特に山田コンサルティンググループのCFP試験対策講座の公式ページは、サンプルテキストやサンプルムービーが豊富にありますのでそれらをみてから判断しても遅くはないでしょう。
一言で言えば、「ザ・教科書」。
ページ数が356ページあるのに文字は小さめ。
ボリューム満点です。
日本FP協会が公式に販売しているCFP向けの教科書で、CFP教育カリキュラムに準拠しています。
CFP教育カリキュラムという言葉は、FP協会発行の「FP学習ガイド」に出てきており、この学習ガイドに沿って作られているという解釈で間違いないと思います。
ということなので、テキストの内容が気になる人は上記FP学習ガイドをダウンロードして中身を見れば、概略を把握できます。
さて、この教科書をCFP試験対策として使えるかというと、ちょっと工夫が必要かなと。
まず、最初から最後まで読もうと思っても途中で気折れしてしまうと思います。
文体が「だ」「である」体だということもありますが、僕ははじめから読もうとして1ページでやめました。笑
このまま続けても多分絶対頭に入りません。
大学の教科書みたいな感じで悪く言えば読みにくく、良く言えばキッチリ書かれているという印象。
試験勉強に有効な使い方としては、わからないところを辞書的に使う方法ですね。
これは山田コンサルティンググループのFPダイジェスト上級編と同様の使い方で、過去問や演習問題を解きながら分からなかったり間違ったりした部分のテキストを参照して覚える、という方法。
で、重要だと思われる部分は色ペンでマークしておいて、CFP試験直前に確認できるようにしておくとなおいいでしょう。
一家に一冊ぐらいあっても悪くはないと思いますが、このテキストだけで勉強が進むと思わない方がいいでしょう。
ちなみにFPK研修センターからは「テキスト解説DVD」というのもあって、これはこの「FPテキスト」を解説するDVDです。
「FPテキスト(FP協会)」と「テキスト解説DVD(FPK研修センター)」をFPK研修センターから同時に購入することもできますし、オプションで別々に購入することもできます。
まぁ、こんなDVDが販売されている事自体、このテキストだけじゃちょっとなぁ…と感じている人が多い証拠かもしれません…。
その他の会社が発行しているCFP学習用テキストを探してみました。
LECにもCFP講座がありますが、テキストの単体販売は無さそうです。
上記のページに「要点テキスト」のサンプルPDFがあります。
「要点」テキストと書かれているぐらいですから、本当に必要なキーワードに関する説明をピックアップしている感じですね。
知識の深掘りには合わないかもしれませんが短時間で集中して覚えていくような使い方を想定しているのかもしれません。
過去問に関しては公式過去問を利用しているようです。
なお、ECCの2級・AFP講座も人気がありますが、ECCのCFP講座は残念ながら無いようでした。
こちらは今回レビューしていませんが機会があればまた書きたいと思います。
おおまかに
結論としては
を持ちました。
プラス、お好みでLECやTACも検討の選択肢に加えてください。
もちろんこれは僕個人の印象でしかありませんし、今回以外の会社は購入してまでは調べてませんので、最終的には公式ページ等を参考にご自身で決めてくださいね。
テキスト(過去問やりこみ)重視であればFPK研修センターが良いと思います。
個人的な推奨テキストは冒頭の【結論】お勧めのCFPテキストはこれに記載していますのでこちらも参考まで!
以上、CFP試験対策テキストの比較レビューでした。
参考になれば幸いです。
CFP試験は難しいですが、この記事を参考にぜひがんばってくださいね!
CFP試験の勉強方法についてはこちらの記事をご覧ください。
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