先日、公開したFP1級とCFP資格の比較記事ですが、早速読者さんから反響がありました。
他の読者さんの参考になる部分もあると思うので、ご質問と回答をシェアしておきますね。
目次
ちなみに今回の回答はこちらの記事を読んでいるコトが前提になっていますので、まだお読みでない方はぜひどうぞ!
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では早速、CFPのOさんから頂いたご質問はこちら。
林さんこんにちは CFP のOと申します。
いつも林さんのブログとメルマガ、大変楽しく読ませて頂いております。
少し前にもお問い合わせをさせていただいたことがあります。早速ですが、11月26日付の最新ブログ「 FP 1級と CFP との比較」について大変興味深く読ませていただきました。
大変な力作であると感じられました。
よくぞここまでお調べになられましたね。
こんな面倒くさいこと (失礼) 私にはとてもできません。さて本題に入りますが、記事の中で一つ気にかかることがありましたので、もしよろしければ教えていただきたいと思います。
それは「資格取得コストと維持コストの比較」の項目です。
確かに、 FP 1級に比べ CFP だと年間24,500円の維持費がかかって大変ですが、仮に、こんなに維持費がかかるのであれば、維持費のかからない FP 1級だけにしておこうと考えて、FP 1級の資格を取り、 CFP の年間維持費を支払わないようにしようとしたとしましょう。
そうなると当然 CFP を名乗らないわけですから、FP 協会から一時的に退会することになりますが、果たしてそのようなことをしている FP の人は実際にいるもの
なのでしょうか?それに FP 協会の会員でなくなったとすれば、 FP にとって貴重な情報誌である「FP ジャーナル」も購読できなくなってしまうのではないでしょうか?
私たち FP が 「FP ジャーナル」から得られる情報は計り知れなく重要なものだと考えられるのですが、もしも FP 1級だけだとすると、はたして「FP ジャーナル」に代わる情報誌やそれに匹敵する最新の情報源のようなものは存在するのでしょうか?
FP 協会を一時的に退会したとしても、年間維持費以上のメリットが何かあるのだとすれば、私は喜んで FP 1級になるでしょう。
しかし、何もないのであれば、高い維持費は支払わなければなりませんが FP 協会の会員でいた方が良いのではないかと考えてしまうのですが、いかがなものでしょうか?
変なことを思いつく奴だと思われるかもしれませんが、大変気になったので、今回もお問い合わせさせていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
Oさん、いつもご質問ありがとうございます!
変なことどころか、年会費について恐らく多くの方が疑問に思ったり、悶々とされていることかと思います。
この中に複数の質問が入っていますので、一つ一つ、僕の意見を回答しますね。
ご質問の意図として、CFP試験合格・認定後にFP1級を取得したという前提かと思います。
この場合、CFPとFP1級を両方取得することになりますから、業務上不要と判断したなら、どちらか一方を放棄することも考えられます。
FP1級は維持費がかかりませんので、わざわざ手放す理由はありません。したがって放棄を検討するとしたらCFPの方しかありませんね。
CFPを放棄した方から直接お話をお聞きしたことは無いのであくまでも推測ですが、相当苦労して取得した資格ですので、よほどのことがない限りCFPは放棄しないのではないでしょうか。
もちろん、CFPを放棄した人がいるかいないかといえば、そういう人も中にはいると思います。
例えばちょっと古いデータで恐縮ですが、FP協会の2016年総会議案の中に、2015年度の入退会者数のデータがあり、
増減を見ると1,332名の増加ですが、内CFP認定者が481名、AFP認定者が713名、一般が138名です。
ちょっと乱暴ですが、増減数の割合からみてCFPが36%とすると、退会者数の36%、つまり1年間に約2,900名のCFPが退会したと推測することもできそうです。
これだけの人数が退会しているからには、中にはFP1級取得したからCFPはもういらない、と考える人もいたのではないでしょうか。
大半は退職などを機に業務上不要になったから、という理由だとは思いますが。
ただ、後ほど述べるように、CFP資格を更新できなくても即退会にはならず、AFP認定者に降格となります。ですので実際には退会まではせず、CFPからAFPに移行するパターンの人が多いかも知れません。
ちなみにCFPからAFPになれば、CFP会費の年8,000円と単位取得費が半減しますので、AFPの最低年間維持コストは15,000円程度になります。
CFPに比べAFPの方が1万円ほど低コストで維持できますから、検討の余地はあると思います。
ちょっと歯切れが悪い回答で恐縮ですが、手元に直接のデータがなく、これぐらいでお許しくださいませ。
FP協会に会員規定や会員ガイドブックがあるので、一度ご確認ください。
だんだんFP協会の回し者みたいになってきたなー。笑
いや、独り言です…。
以上を踏まえて、対策を考えてみます。
まず、CFPの維持費は高いのでやめたいけど、FPジャーナルには価値があるから、ジャーナルは購読し続けたいというパターンを考えてみます。
上記会員規定の第2章第7条2を読むと
資格認定会員は継続教育の履修が満たされず資格認定会員の資格更新ができなかった場合は、CFP®認定者はAFP認定者へ、AFP認定者は一般会員へ移行するものとする。
とありますから、CFP認定者が単位不足などで資格更新できないと自動的にAFP認定者になるようですね。
AFPでももちろんFPジャーナルを購読できますので、CFPを手放したいだけなら、これが一番楽な方法になるでしょうね。
でもさらに、AFPの資格更新すらやりたくないということであれば、そのまま単位取得をせずに一般会員まで移行するのも手です。
ただし、一般会員になっても年会費12,000円はきっちり請求されます。
資格更新コストはたかが知れてますから、最低限、AFPは維持されるのが得策だと思います。
上記はFP協会にとどまるプランでしたが、FP協会から完全に退会する場合はどうしましょう。
当然、退会後はFPジャーナルの購読ができません。年会費12,000円の一部は、FPジャーナル代だと考えましょう。
そうするとFPジャーナルに代わるなにかを探す必要がありますが、FP技能士(1級、2級、3級いずれでも)なら、きんざいが運営している「FP技能士センター」の会員になるという手もありそうです。
このページから辿れるFP技能士センター会員専用サイトから登録によれば、準会員B(年会費7,776円税込)以上であれば月間「KINZAIファイナンシャル・プラン」を購読できるようです。
僕はFP技能士センターに登録したことはないのですが、KINZAIファイナンシャル・プランはB5版72ページ程度ということですので、FPジャーナルと同等のFP情報誌と考えてよさそうです。
資格更新が不要で年会費もFP協会より割安ですから、情報誌だけの目的であればFP技能士センターのほうがお得かもしれませんね。
ということでちょっと回答が長くなりましたが、ご参考までにしてください。
なお、FP1級とCFPのコスパですが…やはり業務に活かせるかどうかで決めた方がいいと思います。
月並みでスイマセン。
FP1級が会社の評価や業務に生かされるのであればそれでよし。
CFPが役に立つなら、1級よりコストはかかりますが、保有しておいて損はないでしょう。
もちろん2級/AFPで業務に間に合うなら、無理に1級やCFPを取得する必要もありませんね。
このへんの判断は人それぞれ、ということになります。
以上、ご回答でした!
こんな感じで公開回答していきますので、ブログやメルマガへのご質問はどんどんお寄せくださいね。(必ず回答できるとお約束はできませんが、出来る限り対応するつもりです)
記事へのご質問は記事のコメント欄や、メルマガへの返信でも大丈夫です。
熱いご質問、コメントお待ちしてます!
(本ご質問の元記事はこちら)
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